メキシコ・グアダラハラで、テキーラ仲間の友人DJ SARASAと合流し、サポパンにあるConsejo Regulador del Tequila(CRT:テキーラ規制委員会)のオフィスを訪問してきました。
今回の訪問では、9月に日本で開催した「テキーラ原産地呼称獲得50周年 & CRT創設30周年記念セミナー」のゲストとして来日してくれたアルバさんに案内していただき、CRTが行う厳密な管理とテキーラ業界への貢献を目の当たりにすることができました。
《CRTで学んだテキーラ管理の徹底ぶり》
CRTでは、テキーラの品質と信頼性を守るために以下のようなプロセスが徹底されています。
1. サンプル検査の徹底
市場に出る前に、すべてのバッチから3本のサンプルを採取:
1本目:品質チェック用
2本目:CRT保管用
3本目:バックアップ各サンプルは24〜45時間以内に検査され、問題がなければボトリングが許可されます。
2. 管理基準の厳しさ
検査項目には以下が含まれます:
アルコール度数
メタノール含有量
ドライエクストラクト(残留物成分)0.06以下であるか
ガスクラマトグラフィー
クリームやコーヒーなどのテキーラリキュールといった派生製品も対象となり、最低6ヶ月間サンプルが保管されます。
フタル酸エステル
プラスチック(中国限定)
ガルバメート(カナダ限定)
また、水質はオプションでお金を払うと検索可能です。
3. アガベ栽培の管理
アガベは植えた時点で登録され、栽培地が地図で正確に管理されています。
登録者には管理カード(デビットカードと同じイメージ)が発行され、栽培株数や販売状況を追跡可能です。
4. 公平性を重視した検査
すべてのプロデューサーが1本あたり50ペソの同一料金で検査を受ける仕組み。
大手・中小規模の生産者を問わず、平等な条件が適用されています。
5. テキーラの「指紋」管理
すべてのテキーラ製品には「指紋」と同じように固有データが紐づけられ、バッチナンバーと共に厳密に追跡可能。
《CRT訪問で得た感動と気づき》
今回、CRTを訪問して特に感銘を受けたのは、テキーラが厳密に、公正に管理されていることです。
アガベの栽培から、製造、品質検査、出荷に至るまで、すべてが透明性を持って行われています。
各部署の担当者の方々が、質問に丁寧に答えてくださり、業界全体で信頼を築いている姿勢を感じました。
また、アルバさんの案内で公開視察できたラボでは、テキーラの検査工程を目の当たりにし、世界中で愛されるテキーラがなぜ高品質であり続けるのかを実感しました。
日本とテキーラ業界の未来を見据えて。
今回の訪問をきっかけに、私自身もテキーラ業界に貢献したいという気持ちがさらに強まりました。
来年は、新たなプロジェクトを通じて、日本での正しいテキーラ知識の普及を目指していきます。
テキーラが単なるお酒ではなく、文化や伝統、そして情熱が込められた特別な存在であることを伝えていきたいです。
最後に
今回のCRT訪問で感じたことは、テキーラがただの嗜好品ではなく、守られた品質と深い歴史に裏打ちされた文化の象徴であるということです。
これからも日本でテキーラの魅力を広める活動を続け、さらに多くの人にその価値を知ってもらえたらと思います。
ぜひテキーラを楽しむ際には、テキーラに込められた情熱や伝統にも思いを馳せてみてください!