人の痛みが分かる人でありたい。愛犬の入院で感じた事 | 目時裕美ブログ「Happy Drink Life」

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一昨日の午後、愛犬が急性肺炎で緊急入院。18歳半という高齢と最近は毎日皮下点滴での水分補給や食事補助などの介護が必要だったので体力もなく、このまま見送る事になる可能性が高いと言われました。

犬の肺炎は進行が早く、数時間で状況が悪化することがあるらしく、酸素室では間に合わないなので、顔の周りを酸素マクスで覆って応急処置をしてもらいました。

↑ちょっと前の元気な姿


目の前が真っ暗になり、手が震えて涙が止まらず。
朝まで元気にご飯を食べていたのに、なぜ?
もっと気をつけて見てあげていたら…と、忙しくておざなりになっていた世話を後悔しました。

先生と色んな治療法や命の選択の可能性を話し、夫婦で相談して、苦しいかもしれないけど、マリブの生命力にかけてみよう。信じてみよう。と決めて、病院で特別に一晩中一緒にいれる部屋を用意してくれました。
きっと、みんな最期の別れの時間だと思っていたからだと思う。

苦しそうに呼吸している姿や、危険だと言われた酸素量の数字に近づく機械音を聴きながら、ずっと付き添い顔を見ていた時に、ふと、子供頃に風邪をひくと母がずっとそばにいて肩や頭をなでながら、子守唄を歌ってくれていたのを思い出しました。
老犬で目も見えず、耳も聞こえないし、残っている嗅覚も顔を酸素マスクで覆っているから匂いもわからないかもしれない。
でも、手の感覚や体温を感じて安心するかもしれない。と、痩せて骨ばってしまった身体をずっと撫でながら、頑張って!負けないで!と、声をかけ続けました。

↑穏やかに自宅で寝てる時(今回の病院での写真ではないです)


緊急入院してから12時間。
奇跡的に抗生剤や抗炎症剤が効いて、肺炎の範囲が減り、呼吸が安定。
苦しくて眠る事が出来なかったけど、穏やかな呼吸で眠れるくらいまで回復しました。
信じられない!!
マリブの生命力の強さに驚き、朝方一旦自宅に戻って休むことができました。

入院から3日目。
退院に向けての話ができるようになり、また顔の酸素マスクも外して、普通の酸素室で寝ている事ができるように。
もちろん、急になにかあるかもしれないけど、大きな進歩で、奇跡としか思えない。

今回、私は大事な出張をドタキャンしました。
どうしても、そばにいたくて、もし最期になるなら見送りたいという気持ちを出張先の担当者と、同行予定だった方に連絡しました。

基本的に、毎回イベントや飲み会の幹事でドタキャンに悩まされることが多く、1番やってはいけないしと思っているし、ドタキャンは嫌い。

しかも、人によっては「ペット」より仕事と思う方もいるのかな…。表向き仕方ないと言っても、内心不快に思う方がいるかな…。と思っていましたが、ご連絡した方々からは、気持ちがわかるから気にしないように。と温かいメッセージが来ました。
人の痛みに寄り添える人になりたい。

なにがあっても笑顔で働く!という信念を持っている人もいるだろうし、仕事優先!と考える事も否定はできない。

でも、自分にとって大切なものや、優先順位があって、相手が本当に大切にしているものを失いそうな時、その人の立場になって、優しい気持ちで声がかけられるような人でありたい。

2023年の1月に、年末に母を亡くして落ち込んでいる私に、メキシコの友人がかけてくれた言葉があります。
「大切な人を亡くして辛く、悲しい気持ちやこの経験は、これから人の痛みを知り、人に優しくなれるはず。あなたが笑っていたら、亡くなった方も安心するから、ツライ時は笑って。そして誰かツライ思いをしていたら寄り添ってあげて」
この言葉がいつも頭の中にあって、この経験から、自分の中の人に対する価値観も変わりました。

どんなふうに最期のときを迎えるのか。
それがいつかはわかりません。
当たり前だけど、悔いなく、そして大切な人たちが、幸せだったと思えるように。
良い思い出を沢山つくり、そしてなにより…気持ちに余裕をもち、一緒にいる時間を大切にしていきたいと思いました。