テキーラの飲み方について、よくご質問をいただく機会があり、カクテルについてはもちろん、ストレートで飲むときに、なぜライムとお塩がついてくるのか?いつから広まったのかを、今回は解説したいと思います。
メキシコ🇲🇽で、この伝統的な飲み方についてはテキーラのオフィシャル機関であるCRT(テキーラ規制委員会)から、発表されています。
まず、1930年代に、メキシコの北部でスペイン風邪が猛威をふるった際、医師によってテキーラと塩・ライムは最善の治療法として処方されたという説。
また、1800年代に小規模生産で造られていたテキーラはアルコール度数が高く強いお酒であっため、塩で唾液の出を促し、ライムの果汁によって喉の焼け付く感じを軽減していたという説が有名です。
この2つの理由から、テキーラとお塩&ライムの飲み方が広まったと言われています。
日本でも、昔はテキーラで盛り上がったり、テンションを上げるために、ショットでガンガンイッキ飲みしていたような時期もありましたが…
私もクラブでみんなでテキーラショットを飲んで盛り上がったり、メキシカンレストランでショットガン(手のひらでショットグラスの口を押さえて、テーブルにガン!と叩いて?テキーラとソーダを混ぜる)をやったり、テキーラロシアンルーレットをしたりの時代もあり…😂
個人的には、楽しければどんな飲み方でも良いのかな…とも思いますが、もちろん泥酔して人に迷惑をかけたり、それこそ身体を壊したりしないこと前提ですが、イッキ飲みを全部否定するつもりはありません。
さすがにコロナで飲み会もイベントもなくなりましたが、それまではお祝いとか、打ち上げとかで、みんなで乾杯🥂して、ショットで飲む事もありました
強制ではなくて、楽しいお酒ならアリですよね⁉️
最近は、甘くて飲みやすいテキーラがブームなのと、ショットグラスではなくシャンパングラスなどでゆっくり飲む事を推奨するブランドもあり、以前ジョージ・クルーニーがCasamigosを発売した時に、ライムも塩もいらない。
ストレートで味わってくれ。
と言っていたのが印象に残っています。
もう一つ。
テキーラのチェイサーには、サングリータという飲み物がありますが、サングリータの誕生もCRTから発表をされているので、情報をシェア。
サングリータは、60年以上前に、ハリスコ州のチャパラ地区で誕生しました。
チャパラ地区にはチャパラ湖があり、グアダラハラの中心地から車で1時間半くらいの場所にあり、週末にリラックスする場所として人気の観光地です。
メキシコ料理店を経営していたエドムンド・サンチェス夫妻が、当時のテキーラは製法が現在とは違い、味や香りが非常に強かったため、飲みやすくするためオレンジスライスと塩、チリパウダーを添えて提供したところ好評だったため、その後、オレンジスライスをオレンジジュースに変えて、他の材料を加えチェイサーとして提供するようになったそうです。
見た目が赤く血液(Sangre)のようだったため、itaという「小さい、可愛らしい」という響きのある接尾語をつけてSangrita(サングリータ)と名付けられたと言われています。
サングリータは様々なレシピにアレンジされ、ライムジュース、テキーラ、サングリータをメキシコの国旗の色(緑・白・赤)に見立てて提供する「バンデラ(旗)」という飲み方も広まりました。
2017年に、アルトスがバンデラを広めたいとグラスセットを作ってプロモーションしていましたが、日本ではサングリータはあまり知られていないかもしれません。
10年くらい前は珍しくて、テキーラバーに行くとチェイサーに出してくれるところもありましたが、最近は別途注文したり、会話に出てから提供しているところの方が多いかな…と思います。
メキシコでもこの数年は、トラディショナルなキャンティーナとかでたまに出してくれたりするくらいで、あまり見かけなくなりました
どちらも、飲みにくいテキーラを飲みやすくするために考えられたものなので、苦辛いテキーラがなくなってきた今、あまり必要がなくなってきたのかもしれません。
ただ、テキーラだけだと酔ってしまうから、チェイサーは必要😂
お水でもよいので、休憩をはさみつつ、ゆっくり無理なく味わって飲みたいですね