TWO TO TANGO | TRIP 嵐 妄想小説

TRIP 嵐 妄想小説

嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。



「それでスタジオ中大爆笑だし、マジ大変だったんだから。」

俺の話に斜向かいに座った智君がゲラゲラ笑う。

「んふ、んはははは、さずが翔ちゃん!」

鼻にかかった声でだいぶ酔ってるのがわかる。

「今だから笑えるけど、笑いごとじゃなかったんだよ、マジで。」

俺も笑いながらグラスに口をつける。

ツマミは智君が用意してくれた刺身と湯豆腐。

薬味もたっぷり。

豆腐に零れないよう薬味をのせて口へ頬張る。

ああ、美味し。

料理って全然わかんないけど、今日の湯豆腐は本当にめっちゃ美味い。

湯豆腐ってお湯で豆腐を茹でるだけじゃないの?

なんでこの湯豆腐はこんなに旨いんだろ?

「んふふ、はぁ、楽し!」

智君がグイッとグラスを傾ける。

飲み過ぎ……?

顔が結構赤い。

まぁ、大丈夫か。

ここは智君ちだし、早起きも必要なさそうだし……。

介護要員としての使命、全うしますよ。

飲み過ぎを心配する俺をよそに、智君がニコニコしながらスマホを開いて何か始める。

「どうしたの?」

「松潤、呼んじゃおっか。」

「松本……?」

「この間も楽しかったじゃん。翔君ちで!あんま覚えてないけど。」

今から?

もう12時だぞ。

どっかで飲んでるかもしれないし、この間だってちょっと迷惑そうじゃなかった?

「今日は止めとこうよ。」

「どうして?」

智君がトロンとした顏で俺を見上げる。

あれ?こんな距離感だったか?

まずい!

酔い過ぎだよ、兄さん!

「遅いから。」

「この間と同じくらいじゃね?」

「この間より遅いよ。」

智君の手からスルッとスマホを取り上げる。

「ヤダ、呼ぶ!」

智君が、身を乗り出して俺からスマホを奪おうとする。

ヤダって、子供か!

「ダメ!眠そうじゃない、あなた。」

「寝ぶぐない~っ!」

そんな鼻声で何言ってんだか。

奪ったスマホを後ろに隠すと、智君がそれを取ろうと俺に圧(の)し掛かって来る。

「うわっ、ちょっと!」

ガタンとテーブルが揺れて、湯豆腐の鍋がチャポッと音を立てる。

「危ないって!」

全く気にすることもなく、俺の手の中のスマホに向かって手を伸ばす智君を避ける。

「スマホ!」

「止めとこ、今日は!」

「ヤダって!」

そんなに松本を呼びたい?

俺と二人はイヤ?

二人だと飽きちゃう?

俺の腰の辺りから後ろに向かって手を伸ばす智君は、俺の右のあばらに頬を押し付けてる。

「今日は二人で飲みたいな……。」

ポツリとそう言うと、智君が顔を上げる。

「俺と二人だと……間が持たない?」

少し困った顔をした智君が、俺から離れて胡坐をかいて、チラッとこっちを見る。

「お、おで(俺)、翔君と二人だと……甘えちゃってらめ(だめ)なんだよ。」

ダメって何が?

首を傾げて智君を見ると、智君がプイッと顔を横にする。

「おら(ほら)、そーゆー顔すんだろ!」

え?俺、どんな顔した?

「そーゆー顔なんて言われてもわかんないよ。」

「だからっ!」

智君が、赤い顔のまま、意を決したように俺を真っすぐ見つめる。

「もっと……甘えたくなんだろ。」

「甘えたって……。」

いいよと言い掛けた口を塞がれた。

塞いでいるのは智君の唇で。

この状況はどんな状況?

考えたいのに頭が回らない。

俺もかなり酔ってる?

結構強い方だと思ってたのに。

頭の中が真っ白ですっからかん。

でも、思った以上に兄さんの唇は柔らかく、あったかくって気持ちいい。

智君の手が俺の後頭部に回って。

さらに強く押しつけられた唇に、俺の体が斜めになっていく。

俺の後頭部を、智君の大きな手が包み込んでゆっくり床に着地した。

「今晩だけでいいから……甘えさせて……くれる?」

智君の指が、俺のシャツのボタンを外していく。

なぜか抵抗できない俺は、ただ智君を見つめて……。

徐々にアップになっていく智君の睫毛は思ったより長くて。

柔らかそうと思っていた頬は意外と固くて。

重なる唇は、やっぱりしっとりしていて。

目をつぶることなく見ている俺は、そっと智君の背中に腕を回した。

松本を呼びたくなかった本当の理由はこれか。

俺は、こうなることをどこかで望んでたのか?

「兄さん……酔ってる?」

「酔ってる。翔君は?」

「俺も……酔ってる。」

グイッと体を反転させて、智君を下にする。

酔っぱらってるからしょうがない。

智君が酔ったら最後まで介護しなきゃならないし、

俺も酔ってるから受け入れてもしょうがない。

重なる体に、鼓動が早くなっていく。

「だいじょうぶ、翔君。久しぶりに一緒に踊るだけだから。」

うん、そうだね。

踊るだけなら悪いことじゃない。

踊ろう、思いっきり。

汗だくになって踊れば、それ以外は何も考えられなくなる。

智君のダンスはずっと見てきた。

その世界に浸るのは、きっと気持ちいいに違いない。

今晩だけ。

今晩だけだから。