え？うそだろっ！
せっかく繋がったのに、これって何！？
今日って1年で一番一緒にいたい日じゃん！
松潤の誕生日じゃん。
なのに松潤はジム行って、その後仕事！？
ずっと電話に出ないわ、未読のままだったの、松潤なのに！
なのに俺は松潤ちで夕飯の仕込みして、帰って来るの待ってるって何！？
俺、健気すぎんだろ！
松潤に振り回され過ぎだろっ！
ドカッとソファーに座って、腕を組む。
「こんなん絶対あり得ん！」
でも、声がさ。
電話の向こうの松潤の声。
甘え方ヘタなんだよ。
ジムやめて戻って来いって言っても、ヤダって。
甘え方までオラオラって、いつもの松潤じゃん！
あんだけ可愛い声出してんのに。
わかんないと思ってんのかね。
「さっさと帰って来い！でないとお前の誕生日、終わっちまうぞ。」
一人、冷蔵庫からビールを出して飲む。
俺がさっき買って来たやつね。
ついでに誕プレも取りに行ってきた。
途中の花屋で花も買って、準備万端。
座り心地のいいソファーで胡坐を組んで。
缶ビール片手の俺はスマホをスクロール。
キャンプのたき火がパチパチする動画で手を止めて。
うん、心地いい音、キレイな色。
ずっと見てられる。
と思ってたら、スマホが震えて、ドキッとする。
松潤からか？
と思ったらニノで。
あ～、ニノ、忘れてた！
電話に出ると開口一番。
「あなた達、仲直りできたみたいですね。」
ニノの声が笑う。
そうだよ。
だからもう俺は諦めろ。
「俺ら、これからデート。」
デートって間違いじゃないよな？
お家デート！若者みてぇ！
「ほんと手がかかるオジサンなんだから。」
え？それ、何？どゆ意味！？
「え、ニノ、それって……。」
笑うニノが電話を切る。
え？なんの為の電話！？
からかっただけ！？
デジタルの時計がカシャッと17：00を表示。
松潤、何時に帰って来っかな。
俺はこの1週間、ずっとお前を待ってたんだぞ。
待ちくたびれた！
だから早く帰って来い。
俺がこんなに待つの、お前だけだかんな！
潤side
