WONDER-LOVE Ever -70- | TRIP 嵐 妄想小説

TRIP 嵐 妄想小説

嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。

69は読んだ?続けてUPしてるよ~!

 



「ブランの婚儀はこいつ……悪魔番号№0617……。」

帝王様が凪に視線を投げる。

「はい。悪魔番号№0617改めまして、和とお呼びくださいませ。

 和とは、なごやか、おだやかと言う意味を持つ名でございます。

 私のように……いえ、私以上に、天界ともおだやかに

 地獄を発展させてくれることと思っております。」

№0617が謙虚に礼の形を取る。

「どこがおだやかだ?」

帝王様のヤジを無視して、凪が和を促す。

「和でございます。よろしくお願いいたします。」

和が短く挨拶し、帝王様が、ふんっと鼻を鳴らす。

「こいつが婚儀を執り仕切る。以上だ。」

帝王様は肘掛に肘を付き、その手に顎を乗せ、めんどくさそうに和を見る。

「で、では!」

ノアが大きく顔を上げる。

「ブランは……その日からアスタロト様の元へ……?」

「いえ……。」

答えたのは和だ。

「ブラン様もノア様も、徐々に慣れてもらう為、まずは来週3日間、

 ノア様は天界へ、ブラン様はアスタロト様の元へ行って頂きます。」

「3日……。」

「はい。徐々に期間を長くし、継承後はすぐにそれぞれの生活が始められるよう、

 準備を行っていきます。」

「悪魔君……。」

ノアの瞳が揺れる。

和も申し訳なさそうにノアとブランを見る。

それを見ていた帝王様が、呟く様な低い声で言う。

「凪はそれらを見守り……人間に転生する。

 ノア、お前の手で転生させろ。お前の最初の再生だ。」

「凪様……。」

ノアが不安そうに凪を見つめる。

「それが凪の願いだ。」

帝王様の声が、いつになく憂いを帯びる。

凪が柔らかい顔で笑う。

「ノア様に転生させて頂けるなど、凪は幸せでございます。」

凪の銀の髪が揺れ、深い緑のピアスがキラッと耀く。

「僕が……。」

「そうだ、お前の最初の仕事だ。」

「失敗したら……。」

ノアの不安げな声をよそに、帝王様は楽しそうに笑う。

「失敗したら、凪はまた地獄で働くか?」

「ほっほっほ、ノア様は失敗などされません。

 もし仮に失敗したとしても……本来あるべき姿に戻るだけでございます。」

「ドラゴンにか?」

「はい。私は人間界で、竜として暮らします。」

「そんなに……人間界に行きたいのか?」

凪は笑って帝王様を見上げる。

「それが……私の最初で最後の我が儘でございます。」

凪が深々と頭を下げると、帝王様もそれ以上、何も言わなかった。