WONDER-LOVE Ever -69- | TRIP 嵐 妄想小説

TRIP 嵐 妄想小説

嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。



帝王様と凪が帰って来ると、地獄の空の雲が渦を巻く。

暗いグレーの雲がとぐろを巻き、その中心、

バベルの塔から大きな炎が宮に向かって伸びる。

「あ、ショウ君、帰って来たね?」

ヴェールとジョーンヌに歌を教えていた智の顔がパッと輝く。

「パパ?」

ヴェールが黒い瞳を智に向ける。

「そうだよ。パパが帰ってきたんだ。ご挨拶に行こうか?」

「うん!」

返事をしたジョーンヌが、智に向かって両手を広げる。

智がジョーンヌを抱っこすると、負けじとヴェールも手を広げる。

「ヴェールも!」

智は笑って、ヴェールも抱き上げる。

「ヴェールはもうしっかり飛べるよ?

 飛べるとこ、パパに見せてあげないの?」

すると、ヴェールは智から手を離し、空中で羽を広げる。

「うん、上手。綺麗に開けてるよ。そのままパパのとこまで頑張ろうか?」

「う、うんっ!」

真剣な表情のヴェールが、小さく羽を羽ばたかせ、よちよちとヤマの間(執務室)に向かう。

智はジョーンヌの伸ばした指に小さくキスし、パクパクして笑わせながら、

隣のヴェールを見守り歩を進める。

ヤマの間まで……30分くらいかかるかな?と思ったが、

一生懸命飛んでいるヴェールを、止める気にはならなかった。



すぐにノアとブランがヤマの間に呼ばれた。

帝王様の隣には、凪と一緒に№0617が並ぶ。

ノアとブランがヤマの間に来ることはほとんどない。

ここは帝王様や凪が仕事をする所で、

子供の来るところではないと、きつく言われているからだ。

ここでも帝王様は玉座に座り、右足を左足の膝に乗せている。

ノアとブランは神妙な面持ちで、帝王様の前に跪く。

「お前たちの継承式が決まった。」

帝王様の声は低い。

ノアはゴクリと息を飲む。

「凪様の話ではなかったのですか!?」

ブランが声を荒げる。

「凪の話をすれば、自然、そういう話になる。」

帝王様は面白くなさそうにそっぽを向く。

「お前たちが14歳を迎える誕生日、

 その日に天界、地獄、同刻を持って、継承の儀が執り行われる。

 ノアは天界へ行き、ミカエルの力を分け与えられる。」

「ミカエル様の……?」

「そうだ。ミカエルの力を受け継ぎ……天界を統治する。」

「僕は……。」

ブランが半歩前に出る。

「お前は……そのままアスタロトとの婚儀が執り行われる。」

「えっ……。」

わかっていても、目の前に突き付けられる現実に、ブランが身を引く。

ノアは、そんなブランを見つめる。

「ブラン……。」

「ノア……。」

珍しく、心細そうな声に、ノアがそっとブランの手を握る。