WONDER-LOVE Ever -62- | TRIP 嵐 妄想小説

TRIP 嵐 妄想小説

嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。



「え?ほんとに?」

「凪様、人間界に行きたいの?」

ブランとノアが聞き返す。

凪はにっこり笑って、少し背を屈める。

「はい。人間になってみようかと思っております。」

二人は前のめりになって、質問を繰り広げる。

「人間になってどうするの?」

「人間の命は短いんだよ?」

「毎日、ちっさな箱にぎゅうぎゅうだよ?」

「長~いチュ~とかするんだよ?」

帝王様の眉がピクッと動く。

「何を見てるんだ!」

それを智が、まぁまぁと押さえる。

「はい。存じておりますよ。」

凪は静かに答える。

「それでも人間になりたいの?」

「それでもやりたいことがあるの?」

二人は同じ角度に首を傾げる。

「はい。人間になって……やりたいことがあるのでございますよ。」

「なになに?」

「ねぇ、なに?」

凪は二人を交互に見、にっこり笑う。

「それは……秘密でございます。」

「え~、ずるい!」

「教えてくれてもいいじゃん!」

「こんな年寄りの余生、知る必要などございません。」

ノアが凪の袖を掴む。

ブランがもう片側の腕を掴む。

「凪様のケチ。」

「教えてくれたっていいじゃん!」

ノアとブランが、イヤイヤと掴んだ袖と腕を揺する。

それを見ていた智が、二人を宥める。

「こらこら、無理やり聞くことじゃないよ。

 凪様の人生は凪様のもの。二人が寂しいのはわかるけど、これ以上はダメ。」

二人の腕を掴み、凪から離す。

「一番我が儘言いたいショウ君が我慢してるんだよ?

 黙って見守らないと。」

仏頂面の帝王様が、ふんっと鼻を鳴らす。

「二人はこれから、たくさんの悪魔や天使を見て行かなきゃいけないんだからね。

 一人一人の人生に口を出すことはできないよ。」

智に諭され、シュンとした二人が顔を見合わせる。

「……わかってるよ。」

「……わかってるけどさ……。」

そこで、おもむろに帝王様が口を開く。

「本気なのか?」

帝王様は腕を組み、真っ直ぐに凪を見つめる。

「はい。」

凪は僅かに頭を下げる。

「……わかった。好きなようにしろ。」

「「帝王様!」」

「ショウ君!」

ブランとノアが声を添え、智が声を上げる。

「この話はこれで終りだ。時期については後で俺様と凪で決める。

 異論はないな?」

ブランとノアが小さくうなずく。

「でも……早めに公表しておかないと、いろいろ影響が出ちゃうよ?」

「わかっている……。この後、凪と共にミカエルの所に行って来る。」

帝王様がチラッと凪を見ると、凪がサッと裾を引いて会釈する。

「そうだね。早い方がいいもんね。」

「うむ……。」

帝王様は組んだままの腕を握り締める。

「凪がいなくなると……いろいろとやっかいだぞ?」

「でも、それをなんとかしちゃうのがショウ君だから。」

智が帝王様に体を寄り添わせる。

「おいらも手伝うよ。」

「智……。」

帝王様を見つめる青い瞳に、吸い込まれるように帝王様の顔が近づいて行く。

「ショウ君……。」

智の手も帝王様の頬を撫でる。

帝王様の顔がさらに近づき、頬にある智の手を握り締める。

「ミカエル様のところに行ったら……ヴィーを連れて帰って来て?

 置いてきちゃったから。」

智がにっこり笑うと、凪がプッと小さく吹き出す。

「これなら、私がいなくとも、地獄は安泰でございます。

 智様、くれぐれも帝王様……ショウ様をよろしくお願いいたします。」

凪が深々と頭を下げた。