WONDER-LOVE Ever -61- | TRIP 嵐 妄想小説

TRIP 嵐 妄想小説

嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。



「家族会議は終りましたか?」

低いトーンの声に、帝王様と智が振り返る。

「凪!」

「あんなに大声で叫んだら、地獄が壊れてしまいます。」

凪の後ろには、ホッと胸をなで下ろした№0617の姿が見える。

「あれくらいで壊れるほどヤワに作った覚えはない!」

「ええ、ええ、私もですよ?ですが、バベルの塔は違います。

 一部破損したと連絡がありました。」

凪の冷ややかな目が、帝王様を一瞥する。

「お前とミカエルが作ったものだからな。

 造りが甘いんだ。」

「そうでしょうとも。ですが……これからは智様が3ヶ月毎に使われるもの……。」

ハッとした帝王様が腕を翻す。

「早急に修理しろ!俺様の声どころか、ミカエルの光の矢が当たっても壊れない

 鉄壁な塔に作りかえる!」

「はっ。」

№0617が姿勢を正す。

「この宮と同じくらい安全なものを作れ!

 智と子供たちに何かあったら……俺様が地獄を破壊してくれるわっ!」

「ははっ。」

今度は№0617が御意の姿勢を取る。

「おいら達だけじゃなく、みんなの安全の為にね?」

智がにっこり笑うと、№0617がシュタッと羽を広げ、凪の指示を待つ。

「行きなさい。破損は大したことなさそうですが、大きくなっては困る。

 天界からも出向いてるようですし。」

「では!」

№617が飛び立つ。

いなくなったのを確認して、凪がふぅと溜め息をつく。

「智様が天界に帰ると聞いただけで塔を壊すなぞ……。

 ご自分の立場、御力をまだお分かりいただけてないようでございますね?」

「うるさいわっ。」

「とりあえずは……家族会議も終わったようですし……。」

凪が智に向き直る。

「智様、御子たちをどうぞよろしくお願いします。」

凪が頭を下げると、智がクスッと笑う。

「うん。でも、子供たちもいつまでも子供じゃないから。」

「そうでございましょうとも。いつまでも子供なのは帝王様だけでございます。」

「んふふ。そこが可愛いんだけどね?」

智が帝王様を見上げると、帝王様が不満そうに眉山を上げる。

「俺様が子供だと?」

「いつまでも子供の心を忘れないってことだよ?」

帝王様は当たり前だと言わんばかりに顎を上げる。

「俺様は何も忘れん!子供の心だろうが、智の愛だろうが!」

「だから……気付いても気付かないふり、してくれてるんでしょ?」

智がノアとブランをチラッと見る。

「子供は……やってみて気づくものだ。特に二人は……。」

帝王様も二人を見つめる。

「統治者になってしまってからでは……何もできない。」

「ショウ君……。」

智が帝王様の腕に抱き着く。

「だから好き!」

「智……。」

子供たちの前ですら、帝王様に抱き着くことなどない智が、

凪がいるにもかかわらず、抱き着いてきたことに驚いた帝王様が、一瞬目を見開く。

「帝王様……知ってたの?」

帝王様はブランの頭を撫で、ノアを見る。

「楽しかったか?人間界は。」

「楽しかった!いろいろ見たんだよ?みんなのお仕事も……初めて目にした!」

「そうか。」

帝王様が微笑むと、凪がスッと前に出る。

「これで……時期統治者も決まりましたことですし……。

 そろそろ私も引退しようかと……。」

「引退?」

智が眉を上げる。

「はい。私もいい歳です。余生は好きなように過ごしたい。」

「ふんっ、何を言ってるんだ。お前が仕事なしでいられるわけなかろう。」

「いいじゃん、ショウ君!凪様はずっと働きづめだったんだから。」

智が凪に向き直る。

「後継者は決まったの?」

「はい。教育係はこのままウリエル様に……。

 その他は、№0617に任せようかと。」

「そっか。ちゃんと考えてるんだね。うん、いいよ。」

「智っ!」

帝王様が目を剥いて智を見る。

智はそんな帝王様を無視したまま、凪と話を続ける。

「で、何がしたいの?」

「落ち着きましたら……人間界に、転生しとうございます。」

「「「「人間界に!?」」」」

驚きのあまり、口が開いたままの四人を見渡し、凪がわずかに頬を上げた。