ヨーロッパミヤマクワガタ Lucanus cervus 累代F2 2005年 | 昆虫漂流記

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ヨーロッパミヤマクワガタ

Lucanus cervus
2005年
累代F2


この標本は、累代飼育個体を頂いたもので、亜種の分類については情報不足の為に、詳細な情報は記載無しにしておきます。
ヨーロッパミヤマグループはイギリスからヒマラヤ近隣までに広がって生息していますが体長が大きくなるcervus種の仲間はイギリス、ポルトガルやスペインのイベリア半島からヨーロッパ各国、黒海周辺からカスピ海の西部にかけて各亜種に別れて生息しています。
広く生息地が広がっている事から変異も多く、かつては40にも及ぶ名前(亜種名、変種名、型名)が付けられていましたが、遺伝子解析が進んだ今では6亜種程に分類されていますが、未だ未整理になって確定されていない亜種も存在しています。

学名「Lucanus cervus」はLucanusが森にすむ虫(ラテン語でLucasが森、接尾辞-anusuga)に続いて種名「cervus」が鹿を意味しています。
この様なクワガタの種名に動物名を使用した例は30種類弱程が見つかります。
種名にはほとんどがラテン語が使用されていますが、クワガタの学名にはギリシャ語、フランス語なども見つかりますよ。


  

今回の標本の亜種名を未記載にしたのは添付下記の疑惑が2004年前後の入手当時に存在し、生き虫だけでなく標本においても偽装の疑いが存在していました。

此の生き虫を入手した当時がヨーロッパミヤマクワガタが入荷数も少ない時代で、累代ものにおいても高価であった経緯とヨーロッパミヤマの標本同定には自信が無い為に未記載としております。

 

現在、このcervus種はヨーロッパミヤマと呼ばれていますが、ユーロミヤマとも呼ばれる事もあります。
ドイツとフランスでは天然記念物に指定されていますが、夕方にオークの林の中を飛び交う姿はクワガタムシを趣味とする者たちにとっては憧れの光景でしょう。


ワイルドライフ「東欧ルーマニア 神秘の滝 桃源郷にカワガラスが舞う」NHKBSより引用