珍蝶 ベニモンカラスシジミ 岡山県 2022年5月末 | 昆虫漂流記

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東へ西へ、過去に未来に昆虫求めて漂流していますが、
近年は、昆虫だけにとらわれず、自然全体から、
観察する眼を持ちたいと思いますのでよろしくお願いします。

珍蝶 ベニモンカラスシジミ

岡山県

2022年5月末

ベニモンカラスシジミが珍蝶かどうか?

私にも判らない。
でも、他人のブログを拝見させて頂くと「珍蝶」や「珍しい」と書かれている事が多いので、そう考えるのが正しいのだろう!
私には珍蝶と云うより、岡山県では採集するのが危険な蝶、または採集不可能な場所に居る蝶と云う方が正しいと思うのですが、簡単にはお目にかかれない蝶には違いないので珍蝶でも良いのかな?

さて、ここ数年は足を運んでいませんでしたが、今年は様子が気になり岡山県西部まで足を運んでみました。
6年程前には1日で10頭ほどに出会う事が出来たのですが、その後は何度も此の場所に通っても空振り、その上に周辺一帯が木の伐採の対象になり(下の写真のように)、環境が変化したので数年間は出かけるのでさえ諦めていました。

 


生息場所2018年の写真です(場所が判らないように写真を加工しています)

足を踏み外せば崖の下にと云う岩の上で蝶を探します。
 

さて今回、現地に10時頃に到着すると、既に車が2台停まっています。
準備をすませカメラを担いで出かけると、1人の青年がカメラを担いで、もう帰ってきました。「どうでした」「朝から1頭だけ撮影出来ました」なんて声を掛け合い、彼は帰ってきました。
私は、そんな情報から意気込んで足を進めたのですが、1時間2時間3時間と待てども1頭も姿を見せてくれない。

 

体力的にも草臥れて、足を滑らすと怪我どころでない事から、諦めて車に戻り帰り支度をしていると、

もう1台の車の持ち主が捕虫網を持って採集から帰ってきました。
私「どうでした」
彼「採卵用の雌を探しているのですが、採集出来たのは擦れた雄が6頭」
彼は朝から危険な足場の中で6頭の生きたベニモンカラスシジミをカプセルの中に生かして持ち帰っていました。

この時私は、「やはり若さの体力と情熱が無ければ採集が出来ない蝶だ」と思い知らされました。


彼「雌を探していたので、目的の対象外なので、翅が擦れてるけども雄を1頭要りませんか?」
と声がかかり、驚きました。なんて優しくて嬉しい言葉だろうと頭が下がる思いで蝶を頂きました。

という訳で私は、今回も空振りで野外撮影も出来ませんでしたが、青年の御蔭で1匹の蝶を手にすることが出来ました。
久しぶりに見れた、生きたベニモンカラスシジミ!嬉しいの一言です。
さて生きているのだから~とプラスチックの大きな飼育ケースの中で、自然の中でとまっているような「やらせ」の写真で撮影です。
間違いなく「やらせ」なので自白しておきます。


今年の珍蝶ベニモンカラスシジミはこんな具合で幕を閉じました。
 

ちなみに私がブログを始めて2016年に最初に書いた昆虫がベニモンカラスシジミでした。6年目にして、採集をせずに、再度生きたベニモンカラスシジミの写真で更新する事になろうとは~!でも嬉しい!

 


また日本での生息地域は下記の添付写真の色付けされている範囲の中でも狭い点で示されるほどの地域なのです。

(掲載元、日本産蝶類標準図鑑・学研より)

最近の話では四国愛媛はかなり前に絶滅したとの事ですがもう1県も絶滅という話も耳にしました。

 


来年はさて、どうなんだろうね?
足腰が弱ってくると命の方が大切になるからね。