コムラサキ
兵庫県加古川市
2019年9月末
北海道から九州まで広く普通に生息するコムラサキ。
名前はオオムラサキに対して見た目が小さく翅が輝く事からコムラサキと和名されていますが、蝶の分類的には違いがあります。
オオムラサキはタテハチョウ科コムラサキ亜科のオオムラサキ属と分類され
此の属には中国大陸や台湾、日本に生息するオオムラサキと、中国大陸のクロオオムラサキの2種類のみが含まれます。
コムラサキはタテハチョウ科コムラサキ亜科コムラサキ属になり
アフリカ、ユーラシア大陸や南北アメリカ大陸に約20属に別れ、そこから更に各種分化しています。
参考までに10年以上前に手に入れた標本ですが、南米ペルーのコムラサキは属が違えばこんなに綺麗な姿ですよ。
ルリオビアメリカコムラサキのオルナタ型(Doxocopa lavinia)
南米ペルーに産しているコムラサキの仲間です。
斜めから観ると構造色の為に右と左の翅の色が違う色で輝きます。
国内産のコムラサキはこんな感じです。
兵庫県宍粟市産
属が違うので遺伝子的にはかなり遠い種類にはなりますが、同じコムラサキの仲間です。
子供の頃(中学生の頃)はオオムラサキが憧れの蝶で手が届かなかったので、コムラサキで満足していたのですが、
近年はオオムラサキは追いかけてもコムラサキを追いかける事はありませんでした。
しかしながら私の心に憧れがある変異型がモヤモヤとあり、
今年こそは色彩変異のコムラサキ(クロ)へと東海地方を考えていたのに、思い出したのがすでに発生後期。
またまた来年の繰り越し課題になってしまいました。(私の休日が悪天候の為に中止に至った事も)
と云う訳で少し時期遅れの普通種のコムラサキを狙って撮影に出かけました。
コムラサキを狙うには池や河川に生える柳や、標高を上げて谷筋に生える柳を訪ねれば良いのですが(まるでクワガタ採集と同じ事をしてますね!)、樹液もしくは枝先で翅をひろげている個体で翅の輝きを狙うのですが撮影が難しい。
輝く翅を上から撮影するにはやはり柳の枝先と同じ目線の高さになる土手の上からカメラで狙うしか術が思い浮かばない。
と云う訳で5メートル程離れた場所からレンズで引っ張り、トリミング承知で撮影を試みました。
ただし今回は天気が良すぎるのでコントラストの差が大きすぎて思うようにも撮影が出来ませんでした。
20匹ほどのコムラサキが飛び交っていますが、落ち着いてとまっているのは、ほんの少し。
待つ間もなく直ぐに翅を開いてくれますが、輝かない。
輝かないので雌??イヤ撮影の角度が悪いようです。
不意に別の蝶が飛んで来て向かい合わせでとまりました。
どうも意識して目の前にとまったようです。
2頭で少しの間ジッと「にらめっこ」をしていましたよ。
他に見られる蝶は更に条件が悪いようです。
いい加減な設定で撮影をしてたら白トビだらけ!
蝶の翅と柳の葉の光のバランスが難しいです。
なにやら産卵場所を探して木から木へ飛び交っている行動の蝶がいたので、遠くから狙っていると産卵を始めました。
5メートル以上離れて撮影していますが、1脚を使っていたので何とか卵まで確認できるぐらいにはトリミング出来ました。2卵が確認できます。
とりあえず翅は輝きましたが、少し色彩に違和感があります。
コントラストの差が大きすぎて思うようには撮影が出来ません。
翅の幻光を綺麗に表現するのは、
また次の機会への課題ですね!
ちなみに子供の頃の捕虫網での採集のと違い、撮影は更に悪戦苦闘を致しました。
2019年9月末(風強し日)
後日に再度挑戦してみました。
今度は上手く撮影できたかな?
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