激減ナミアゲハ? エッ!普通のアゲハチョウが?? | 昆虫漂流記

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東へ西へ、過去に未来に昆虫求めて漂流していますが、
近年は、昆虫だけにとらわれず、自然全体から、
観察する眼を持ちたいと思いますのでよろしくお願いします。

激減ナミアゲハ?

エッ!普通のアゲハチョウが??

 

ナミアゲハ?激減? そう!身近なアゲハチョウが? 

そんな事言うのは オオカミ少年? ほら吹き?

そんな地域の事情も紹介させて頂こう!。

 

これは今年4月の記事で使わせて頂いた写真(再使用)


野山の生える イヌザンショウの幼木にて  兵庫県姫路市 

2011年11月7日撮影


昆虫のブログなら、身近な馴染み見られるナミアゲハも取り上げなければいけませんね。
本州では、身近なナミアゲハですが、同じ日本国内でも地域が違えば、

沖縄県ならば、事情も違います。


ナミアゲハは、春の桜が咲き終わる頃は、ナミアゲハ春型が山の頂上や、小高い丘の頂上(ヒルトップ)に登れば、「ここは我が場所」とばかりにテリバリ(テリトリーを張る)が見られます。


これは交尾の為の行動で「ヒルトッピング」とも云われています。

 

ナミアゲハ 兵庫県姫路市

 

キアゲハ 兵庫県播州平野(ギフチョウ産地)


丁度、その季節にはキアゲハや発生地近くではギフチョウも同じ山頂に、混生して見られる光景になり、ギフチョウ目当ての際にはナミアゲハによく惑わされることになります。

 

兵庫県 播州平野の里山にて

この場所は
今年の春、テレビで御馴染の昆虫写真家 海野和夫さんが来られましてブログ「小諸日記」の中で
「4月16日に兵庫県でギフチョウの撮影に連れていっていただいたのだが、案内して下さった新井雅夫さんが,その時の写真を送って下さった。」と こちらでリンク

その時の小諸日記の記事が           こちらでリンク

その時の小諸日記での動画が         こちらでリンク
で紹介されて頂いている場所です。
新井雅夫さんは私のブログで、過去に記事にさせて紹介させて頂いています。

(前回テングアゲハでも紹介)          こちらでリンク


ナミアゲハ夏型においては、標高2000㍍を超える山岳地域の稜線を散歩中に見られる事が多いですね。(これもヒルトッピング)

春型においては、捕虫網のミドリ色に集まる習性が強く、山頂でミドリの捕虫網の口を開いて立てて置けば、自然に網の中に入り込んできます。
これは、前回の記事の、テングアゲハにもミドリ色に集まる習性がみられるとされていています。(テングアゲハのミドリ色は、ある決まった緑色の布のようです)

 

海外では、フィリピンにベンゲットアゲハと云われる、日本のナミアゲハによく似た(少し小型化で翅が丸い)種類が見られ、この蝶はナミアゲハの祖先型ではないかと云われた蝶が見られます。

 

ナミアゲハの本題(タイトル激減ナミアゲハ??)に戻り、
本州では普通に見られるナミアゲハなのですが、実は沖縄県では、アゲハチョウの仲間では黒色アゲハチョウに比べて、出会う事が少ない蝶なのです。
もともと、沖縄県では、個体数が少ないナミアゲハなのですが、特に八重山諸島では、減少が著しいと云われています。
原因は、沖縄の岩場や民家に植えられていたヒレザンショウが減少した為と云われているようです。



石垣島で蝶を中心に観察しながら、観光を兼ねていましたが、見つけたのはこの1頭のみ。
本州では、遠目で眺めるナミアゲハですが、こちらでは慌て走って採集。
下調べが無ければ、採集はしない蝶だったでしょうね

16-July-2012
沖縄県石垣市平久保地区周辺で採集のナミアゲハ

同じ夏型でも本州産より、心なしか濃いい黄色

(個体差があると思いますので、1頭だけの見解では決めつけられませんので)

 

春型、夏型の違い

兵庫県三田市♂ 08-Apr-2009

 

兵庫県姫路市♀ 17-May-2013

 

兵庫県姫路市♂ 09-June-2013

 

兵庫県姫路市♀ 09-June-2013

 

兵庫県姫路市♂ 18-Aug-2018

 

兵庫県姫路市♀ 06-Aug-2008

 

小さな国の日本でさえ、

只、いつも普通に見ている蝶なのに場所が違えば、事情も違うようです。

ナミアゲハに脱帽!

 

 

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ちょっと小話

このブログを見て頂いていている方々の中で

蝶の幼虫や飼育されている方に

見て~な~と 紹介です。

カワイイ「イモムシ」と思いません?

自分の写真が無いので、海外の画像を無断でお借りしました。(反省!)

正体は、北米に産するクスノキアゲハの幼虫です。

飼ってみたいな~。