昆虫漂流記

昆虫漂流記

西日本を中心に昆虫を追いかけています。✌
東へ西へ、過去に未来に昆虫求めて漂流していますが、
近年は、昆虫だけにとらわれず、自然全体から、
観察する眼を持ちたいと思いますのでよろしくお願いします。

ウサギ 当ブログ内で紹介させて頂いております

動物、植物の詳細な生息地につきましては、撮影、採集に関わらず、情報の拡散、乱獲、の懸念に、お尋ね頂きましても、ほぼ、お断りさせて頂いております。 身勝手な判断ですが、大変申し訳ありません。チョキ 


てんとうむし 特に昆虫におきましては、

種の保存法、天然記念物等の規制が採集の制限になり、国立公園・国定公園においても特別区域外では採集可能で、一般地域と同様に扱われ、鳥獣保護法は適用外となる為に、情報には気をつけております。ハチ


ヒミツ 閲覧検索においては

パソコンでは、左上部に位置する小さな検索欄で昆虫名や県名を記入する事で、このブログにとりあげた昆虫は検索が容易になりますので、よろしくお願いします。 またこの文章のすぐ下部にあります「記事一覧」のリンクからも検索が可能です。グッド!



わんわん 最後に 、此方から申し上げるのは失礼に当たりますが、

読者申請(フォロアー)されましても、数週の間、イイネ、コメ等の 「音沙汰無きフォロアー様」には事業宣伝目的に名前を列記されたと考え、こちらから無断で登録抹消させて頂いておりますので、ご理解の程よろしくお願い致します。

ヤンバルテナガコガネ

写真と標本


ヤンバルテナガコガネは日本の昆虫を代表している云わずと知れた天然記念物です。


説明については、

「ヤンバルテナガコガネ Wikipedia」から其のままコピペさせて頂きます。
ヤンバルテナガコガネは、
「学問的に正式な発見、記載がされる以前から、その存在について薄々知られてはいた。カミキリムシ採集家伊藤敏仁によって1982年4月2日に死骸の上翅と腹部だけが拾われたり、また、生息地にほど近い製材所の従業員が、原生林から運び込まれた大木を切断加工中に度々本種の姿を見出していたりもする。
正式な発見は1983年で、1984年に黒澤良彦によって記載された。新種記載のタイプ標本として発見された個体は、1983年9月15日に国頭村普久川ダム構内で採集されたものである。しかし発見した時には既に絶滅の危機が迫っており、1984年2月に沖縄県の天然記念物に、その後1985年5月に国の天然記念物に指定され、採集は全面的に禁止、繁殖プログラムも計画されている。そもそも発見自体が、森を切り開き山を削って建設されたダムの水銀灯に飛来した個体が植え込みの木の枝に引っかかっており、それが朝の構内見回りをしていた職員の目の前に落ちてきた、というものであった。
おおまかなライフサイクルや生息環境概要、幼虫の生態は天然記念物指定前の水沼哲郎による採集調査で明らかとなった。」

と記載されているように、

1983年に発見されて、1984年に記載されて、1984年2月に沖縄県の天然記念物に、1985年5月に国の天然記念物に指定されているのが現状で、この話は本当なのか?と思う程にとんとん拍子で話が進んでいる。

ヤンバルテナガコガネは成虫になるまでに数年を要すると云われている。

ヤンバルテナガコガネの専門家による発見から天然記念物指定の短い期間に採集して幼虫の生態を研究するなどそんな時間的に無理な話と思われるが、近年のデジタル化の世の中でも行政の対応が遅い中で、当時これほど早くにお役所が指定された話が疑問を感じてしまうのは私だけだろうか?。

もう少し前から見つかっていて、記載されたのがその年だったのではないか?とも思ってしまいます。

さて、ヤンバルテナガコガネのホロタイプ標本は2018年に国立科学博物館で一般公開された話は有名だ。

このブログを読まれた方々にも実物を見られた人もおられるだろう。
「ホロタイプ標本」とは、その種の基準となる標本で、1つの種につき世界に1点しか存在しない。
また、国立科学博物館においてもホロタイプ標本は、1984 年の新種記載以来、長い間、門外不出とされていたもので、話題性が非常に高かった企画に違いない。


ホロタイプ 

ヤンバルテナガコガネ

国立科学博物館のサイトから画像参照

 

実は、国立科学博物館には研究用にも標本が保存されています。

国立科学博物館研究用標本 保管(昆虫標本室)

以前に神奈川県での特別展「木の洞をのぞいてみたら-樹洞の生きものたち-」

開催期間2009年7月18~ 2009年11月8日

開催場所 神奈川県立生命の星 地球博物館

で展示されたのは、この研究用の標本から左上の雄と右下の雌の個体を貸出されていました。

 

ホロタイプ???皆さん何か忘れていませんか?
新種を登録記載する際にホロタイプは忘れる事は無いですよね~!
ホロタイプは、この企画で紹介されました。
では、そう!パラタイプについては????
パラタイプとはホロタイプで基準に登録すると、それ以外の参照したホロタイプ以外の標本の事です。
そうヤンバルテナガコガネにもパラタイプがあります。
実際に詳しく何処に何箇所、何個体が存在するのかは、不明ですが、判っている話もあります。
ホロタイプの記載に関わった方々や、当時の研究に関わった方々は、もちろんの事でパラタイプ標本を保持されている人もおられるでしょう。
それら以外で一般に公開されているパラタイプ標本の行方は?

一つは沖縄の琉球大学資料館(風樹館)



琉球大学博物館(風樹館)のサイトより参照

 

もう一つは兵庫県姫路市立「姫路科学館」にあります。
コレクションをされていた小林平一氏は、既に亡くなられ、遺品となった標本は姫路市の科学館の収蔵資料になっています。
小林平一コレクションは鳥の標本、トリバネアゲハの標本、甲虫類、その他、多種多様大量になりますが、本職は姫路城の昭和の大修理で大屋根にのせられた鬼瓦の制作者の鬼師になります。
そのパラタイプ標本がネット上でも姫路市科学館の収蔵資料で閲覧できますが、此方で写真を添付しておきます。

この様に、私が簡単に調べて判明した処だけを紹介してみました。他にも存在しているかもしれません。


さてこれからが本題です。
ヤンバルテナガコガネのパラタイプ標本があるなら、生きてる個体を見ていた人がいるはず。
当時のタイプ標本が含まれるヤンバルテナガコガネを、撮影していた人がいるかもしれない。ですよね~!

実は此処にありま~す。
私の師匠が保管されていた写真をコピーさせて頂きました。
撮影の経緯や撮影者が誰なのかも不明ですが、写真は実在していました。
昔のフイルムカメラで撮影されてA4サイズに引き伸ばされていましたが、写真に劣化が見つかっているので写真をパソコンで取り込んでアプリで手作業で詳細に修正をしています。
タイプ標本記載当時の生きたヤンバルテナガコガネの写真です。

 





 

此の写真、実は沖縄で撮影されてはいません。
当時、このタイプ標本は研究と記載の為に、本土に持ち込まれて、兵庫県姫路市の公園の樹(旧姫路市立科学館が建っていた手柄山中央公園の樹)にとまらせて撮影されたと教えて頂きました。

沢山の人が囲んで、カメラを向けて、まるで撮影会になっていたとの事です。


かなり以前から、私の手元にありましたが、この中の個体がパラタイプである事が不明だった為に、「写真が天然記念物指定以前の証明が出来ない」、「近年の話題の密漁?」で撮影している疑いをかけられる恐れから、友人にコピーを渡しても表に出さないようにお願いしていましたが、公的な姫路市立「姫路科学館」でパラタイプの記載がされていましたので表舞台に出す事が出来ました。

最後に感想を~!
東京、国立科学博物館のホロタイプ標本は、綺麗に展脚されていますが、パラタイプ標本は、いずれも少し展脚が雑ですよね。
きちんとした、

東京の方々のホロタイプ標本に対して、

関西の「まあ!そんなもんでええっか!」の関西気質と、沖縄の「なんくるないさ~」なんて風な考え方の違いなのかな~なんてオチを付けてみました。(笑)