はじめに

私は17歳の時、脳挫傷事故にあい、半年間の入院生活を余儀なくされた。大学受験の大事な時期にぶつかり、退院後、学業に復帰するも、当然、成績は急降下!お先真っ暗の青春時代に突入した。家族の支え・励まし等で、なんとか大学入学・卒業・就職を果たし、社会人となり、結婚生活もスタートできた。

 その後、私の人生は、地方公務員・国家公務員・上場会社役員・関連会社社長・団体役員と多くの出会いに恵まれ、幸運な人生だったと感謝に尽きない。

 しかし、この間、50年も、時折でてくる片頭痛の後遺症に、私は悩まされ続けた。愛妻の献身・看病を受け、また、子供たちの未来への責任感が闘病の支えであった。


私は必然的に、完治をめざし、余暇は古今東西の書物・健康法等を渉猟する無類の読書好きの人生となっていった。

ヨーガ・チベット体操・真向法・陰陽五行・十二経絡・易学・分子栄養学・量子力学等も研鑽・実践するに至った。

こうした精進の結果、古希を迎える頃、さしもの片頭痛の発作も、いつしか出てこなくなり自然治癒し、以後、感謝・報恩の日々に入って来ている。

振り返って、私の今日を迎えた要因に二つあると思う。「人生の師との出会い」と「量子力学の振動の法則との出会い」である。

 30歳代、霞ヶ関の国家公務員時代は、私の人生の中でも最も激烈な時期であり、国会開会中は答弁書作成等で、毎日深夜帰宅を余儀なくされ、頻繁な片頭痛発作で苦悩していた時である。

 そんな折り、同郷の県人会役員のご子息で、「上京時には訪ねていくように!」とご縁を結ばせていただいたN老師との出会いが、私には大きな救いとなった。今日まで40年以上のご交誼を頂いているが、老師と面談する度に薄皮を剥ぐように症状が軽くなるのが不思議だった。N老師は私に対し、かねてより「①庶民、大衆、若者が手にして、自らの糧としていく書物を!②精神の進化を学ばれ、その神髄を現代や後世の人々に残せよ!③大衆が悩んでいることを超越し、知恵の集積として、この世に一冊の書物を!④この世で知恵の完成を見るのは、導きの役割を与えられた天命の人なり!」とのご薫陶を頂いた。


又、N老師から閃きを賜わり、私は自己治癒力のアファメーション(肯定的な自己宣言)を作成し、何十年間も唱えている!曰く「私は益々、健康で、とてつもないパワーが急速に身に付きつつあり、

あらゆる問題を、悠々とこなすことの出来る大人物へと成長しつつあるぞ!」

このアファメーションにより、私は、後に、自分の生命の振動数が上昇し、自然治癒力が発揮されたものと「量子力学の振動の法則」を学び、合点がいった!

 私たちの肉体は、すべて原子から構成されている。しかし、原子の大きさは、原子核を1㎝とすれば、なんと1㎞!つまり、原子の中・肉体の中はスカスカ!なのだ。素粒子が振動している量子力学の世界なんだと理解した時、私は、大きく境涯が開けたのである。


本書は、こうした経緯でできたのである。N老師は、私に「一書は、辞書なく、手軽に手に取り、なんなく読めるが格調高いものを!」と示された。

還暦を迎えた頃、私は、安岡正篤先生の「易学」及び、中村天風先生の「ヒマラヤ・ヨーガ」に感銘を受け、白髪・白髭の仙人の夢を見、「天徳」と名乗り、講演活動を開始した。

テーマは「天徳先生のおもしろ健康法『魂・心・体 善は急げ!』」である。


体(からだ)編は、第一章から第三章で成る。

第一章 健康は善知識

第二章 陰陽五行

第三章 十二経絡


心(こころ)編は、第四章から第七章で成る。

第四章 善徳を積む

第五章 六根清浄

第六章 善は急げ!

第七章 正しきは善


魂(たましい)編は、第八章・第九章から成る。

第八章 ヨーガの善用

第九章 量子力学の善導


私は、今回の人生で、本当の健康とは、「魂・心・体のバランス」だと悟ることが出来た。今まで、「心身の健康」と言われてきたが、「健康管理士」の勉強・資格取得、「ヨーガ・チベット体操・真向法」の実践の中で、心と体をつなぐ「神経(中枢神経・末梢神経)」こそが大切であり、しかも、これは「魂」とつながるものだと理解した。


本書は、N老師の導きで「誰でも、手軽に、辞書なく、なんなく読める!」をモットーに、私は執筆した。なので、あなたは目次を見て、どこから読み始めても構わない。勿論、はじめから読みすすめて、第九章 量子力学の善導にたどり着いていただくのも素晴らしい!

本書が、あなたの今世の人生を全うする「一書」になれば幸いである。


二○二四年  月  日


         山下天徳(幸治)