K2シロップを子どもに飲ませたくない
お元気ですか?
わたしは、そこそこ元気です。
ブログの更新は月一回もできてませんけど、毎日快便!
年も末になりましたが、お互いマイペースで生きていきましょう。
ところで、今日はヴィーガンやベジタリアン妊婦さんである少数派のあなたにプチ情報です。
初めての妊娠は、不安なことが多いと思います。
ベジの場合、なおさらですよね。
その心配ごとの中でもベジタリアンに特徴的なのが、『K2シロップ』です。
自然派育児を目指す人は、たいてい赤ちゃんにK2シロップを飲ませたくないと思うのではないでしょうか。
私も同じで、妊娠中はどう対処したらいいのかわからず、検索魔になっていました。
なので参考までに、一個人の前例として、私のK2シロップ拒否話を聞いていただければと思います。
※決してK2シロップ拒否を推奨する目的ではありません。うん、多分。
【ヴィーガン・ベジタリアン】私にとってK2シロップの何が問題だったのか?拒否した理由
一番の理由は、生まれたばかりの赤ちゃんに人工物を与えたくなかったんです。
生まれたばかりの子は、母乳だけで足りるようにできているのに、ビタミンKだけ足りないなんて・・・どう考えてもおかしい。不自然だと思いました。
それに、産婦人科診療ガイドライン(※)で推奨しているK2シロップの量×回数を服用しても、ビタミンK欠乏性出血症が完全に予防できるわけではないんですよね。
※日本小児科学会「新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症に対するビタミンK製剤投与の改訂ガイドライン(修正版)」
私がK2シロップを拒否した理由をまとめると…
- K2シロップが添加物のかたまりだということ。(少量だから問題ないわけではない)
- 動物実験(ラット)の犠牲の上でできた薬であること。(動物の犠牲を挙げたらキリないが)
- 妊娠中や母乳でビタミンKが足りていれば問題ないのに、その証拠がないからK2を推奨していること。
- 予防のための薬であり、投与しても発症するケースはある。(完全に防げない)
- かゆみ、発疹などアレルギー等の副作用があるということ。
K2シロップの成分
問題のケイツー(エーザイのK2シロップ商品名)の成分表示を見てみます。
1. 組成
本剤は、 1 mL中にメナテトレノン 2 ㎎を含有する黄色澄明のシロップ剤である。
添加物として安息香酸ナトリウム、クエン酸水和物、ゴマ油、水酸化ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、D-ソルビトール液、パラオキシ安息香酸エチル、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、香料を含有する。
安息香酸系とか、ギョッとする添加物がかなり入っていますね。
予防のための服用で副作用が出たら元も子もないなと。
なので、妊娠中や産後は食事からしっかりビタミンKを摂るよう気をつけて、赤ちゃんに必要な栄養はすべて母乳から与えようと心に決めました。
K2シロップは、どうして飲ませないといけないのか?
K2シロップとは、赤ちゃんに飲ませるビタミンKの補給薬です。
ビタミンKが不足すると、血液が固まりにくくなり、出血をおこしてしまう病気『頭蓋内出血』や『消化管出血(新生児メレナ)』等のビタミンK欠乏性出血症になります。
最悪、生死に関わったり、後遺症になる場合もあります。(これを聞くと怖くなりますよね。)
なので、ビタミンKが不足しないよう予防するのが、赤ちゃんにK2シロップを飲ませる理由です。
日本の食生活が大きく変わった時代にK2シロップが普及したため、何で改善できたかは疑問。
しかし実は、過去にビタミンK不足によって重篤な状態になったのはごくわずかなんです。
ビタミンKの予防投与が始まる前の全国調査では、乳児ビタミンK欠乏性出血症が発症したのは約4000人に1人、完全母乳に限ると1700人に1人(※)でした。
*第一回1978年~1980年調査:化血研所報 黎明, 21: 58~62(2012)[KTZ-1440]
※ただし、この計算方法に疑義あり。
参考ブログ:https://www.love-wife-life.com/k2syrup-nationwide-survey/
たしかに、全5回のK2シロップ全国調査を見ると、出生に対する発症数はだんだん減っています。
出典:http://www.jaog.or.jp
ただK2シロップの発売や3回予防投与の普及のおかげで、発症数が改善したかというと…?謎なのです。
回答する病院も限られており、算出方法も毎回違って、全国の状況を正確に反映できていないのは明らか。
また、上のグラフの通り、K2シロップが発売になった昭和59年よりも前から発症数は減ってきています。
出典:http://yazuken.com ㈱やずや『大学教授に聞く』
そのころ1980年代の日本といえば、食料不足だったのが経済成長のおかげで食生活が豊かになったころ。そして、飽食時代に突入していきますよね。
つまり、産婦さんの栄養バランスはこのころからしっかり補えるようになってきたわけで、K2シロップだけの成果とは言えないのです。
山口県のレメディ事件とホメオパシー代替案
K2シロップの拒否にあたり、引っかかっていたのは、山口レメディ事件でした。
この事件は、K2シロップを与えなかった赤ちゃんが新生児メレナで死亡し、助産師が訴えられたケースです。
2009年8月、山口市在住の女性が助産師の指導のもと長女を自宅出産した。同年10月、長女は生後2ヶ月で硬膜下血腫が原因で死亡した。
硬膜下血腫が発生した原因は、ビタミンK欠乏症による出血(新生児メレナ)であると考えられている。母子を担当した助産師は「ホメオパシー医学協会」に所属しており、ビタミンKの「記憶」や「波動」、「オーラ」を持ち「ビタミンK」と同程度の効果を持つと同団体が主張していた砂糖(いわゆる「レメディ」)を、ビタミンKの代わりに新生児に舐めさせた。本物のビタミンKを投与していないことを担当医師に気づかれないよう、母子手帳には「ビタミンK投与」と偽って記載したことがわかっている。
出典: Wikipedia『山口新生児ビタミンK欠乏性出血症死亡事故』より
ホメオパシー療法は、ベジタリアンやってるとよく耳にします。
私はあまり詳しくはないんですが、ホメオパシーの薬のことは「レメディ」と呼ばれていますね。
そのレメディは、毒ではない植物や鉱物を原料とし、希釈して波動とかオーラとか記憶とかを染みこませたものだそうです。
それを患者が飲んで、体の抵抗力を引き出し、自然治癒力を高めるのだとか。
つまり、その助産師がK2シロップの代わりに、ホメオパシーパワー注入した(?)砂糖レメディを飲ませたことが問題になったんですね。
もしこのとき、レメディじゃなくてK2シロップを与えていれば、赤ちゃんは死ななかったのか?軽症で済んだのか?
わたしには知る由もありませんが…
とにかく、この一件で病院・産院側としては、『今後K2シロップを飲ませなければ訴えられる恐れがある』という認識ができあがりました。
K2シロップを与えれば、病院・産院側には落ち度はないということになるのでしょう。
身勝手な意見かもしれまんせんが、わたしとしては正直、厄介な事件だなと思いました。
K2シロップって、どうしてこんなに添加物だらけなんだろう。
ビタミンKが不足傾向だとわかってもう40年経ちますが、添加物がなくてからだに負担のない薬を開発されないのはどうしてでしょうか。
儲からないから?
リスクの低い病気予防のために、添加物たっぷりのK2シロップを拒否する親は、親失格ですか?
子どものからだのことを本気で考えていないのは誰?
そもそも私はK2シロップを使いたくないので、なかったことにする薬は選択肢として「ない」ですが、そういうホメオパシー代替案(妥協?)もあるんですね。ご参考までに。
赤ちゃんにK2シロップを飲ませたくない!拒否した話
ずいぶん前説が長くなってしまいましたが💦
思い出しながら書いてみます。
一人目出産のK2シロップ拒否
一人目は初めての妊娠なので、妊娠前から、妊娠中、産後も食事には気を付けていました。
毎朝、納豆ばかり食べていました。
自宅出産でしたが、妊娠初期に初めて助産師さんに対面して、K2シロップは飲ませたくない旨を伝えました。
なんて言ったかな。
「薬は副作用があるし、効くか信用できないので、K2シロップは飲ませたくないです。」こんな感じだったと思います。
その助産師さんは、ご自身のお子さんにもK2シロップやワクチンを与えていない方だったので、これで話は終わりました。(肩透かし)
二人目出産のK2シロップ拒否
二人目は一人目とは違う助産師さんでした。
しかも言いそびれて、妊娠後期になってK2を飲ませたくない旨を伝えました。
しかしその助産師さんは、助産師会に報告しなければならないことを理由に「K2シロップは必ず飲ませてくれないと私が困ります。」と言われました。
うん、まぁ想定内です。
でも、私も譲れないので、「何があっても訴えない」「誓約書を一筆書くので」「飲ませるなら違う助産師さんにお願いすることになってしまう」と話したら、助産師さんから妥協案が・・・
「納豆やブロッコリーをよく食べること」「K2シロップは受け取ること」「母子手帳にも記録すること」を条件に、折り合いがつきました。
だから、二人目の子の母子手帳にはK2シロップ何月何日に投与と書いてあります。
結局、ビタミンK欠乏性出血症の症状は何も起こらなかったので、受け取ったK2シロップはしばらくしたら捨てました。
ビタミンKが含まれるベジ食材と効率的な食べ方
卵黄や肉類、乳製品にもビタミンKが含まれていますが・・・
文科省の食品成分データベースでは、ビタミンK含有食材TOP50の中に動物性食品は一つもなく、すべて植物性食品でした。
なので、ビタミンKはベジ食材から摂ったほうが効率的といえます。
ビタミンKが多く含まれるベジ食材
- 納豆
ビタミンKは大豆が原料である油揚げや豆腐よりも、圧倒的に納豆に多く含まれます。
- 緑の野菜
ほうれん草、ブロッコリー、パセリ、三つ葉、春菊、バジル、シソ、モロヘイヤ、あしたば、ヨモギ、かぶの葉、おかひじき、つるむらさき、大根葉、ニラ、なずな、行者にんにく、小松菜。
ビタミンK1は緑黄色野菜に多く含まれます。
- 海藻
海苔、わかめ、天草、ひじき、ふのり。
- 飲み物
玉露、抹茶、ケール青汁、煎茶、紅茶。
参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
効率的な食べ方
納豆に多く含まれるビタミンK2は脂溶性なので、油と一緒にとると吸収率が上がります。
材料:納豆、黒すりごま、みじん切りパセリ、みじん切り大葉、寒ふのり、醤油、アマニ油。
作り方:納豆を100回くらいよく混ぜる。それ以外の材料を全て入れて、数回混ぜたらできあがり。ごはんやパン、うどん等にかけて食べる。
おすすめはアマニ油やエゴマ油を小さじ1程度、納豆に混ぜてから食べることです。
シソはもちろん、パセリも意外と納豆と好相性。納豆に負けてなくて美味しいですよ。
まとめ
- K2シロップとは、ビタミンK欠乏性出血症を予防するための薬である。
- 添加物や副作用により、赤ちゃんにK2シロップを飲ませたくないベジタリアンは多い。
- 一つの例として、ベジタリアンで妊娠中と産後食事にビタミンK食材に気を付けていた結果、完全母乳育児でも二人の子どもは問題なく育った。
- 親としては、ビタミンKが不足して起こるリスク、K2シロップを飲むことによって起こるリスク、飲まなかったことによって起こるリスクを理解し、総合的に判断するべき。
- K2シロップをしっかり飲ませたからといって、ビタミンK欠乏性出血症を完全に予防できるわけではない。
- 特に完全母乳の場合は、ビタミンKの多い食べ物を意識しながらバランスの良い食事をとるとこが大切である。
完