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J.M.クッツェー氏の【恥辱】という小説を読みました。少し前までは好んで小説を読んでいたのですが、最近つまらなくなってやめてしまいました。決して作家のせいではなく、私の嗜好や考えが変わってしまったせいかもしれません。
しかし、ブログでクッツェーさんの金言について取り上げたことがきっかけで、彼の小説に興味を持ったのでした。
あらすじ
(以下には小説の核心に触れる部分が記載されていますのでご注意ください)
アパルトヘイト撤廃後の南アフリカ。主人公は、離婚を2度経験している大学教授のデヴィッド。52歳になっても彼の奔放な性欲は衰えを知らない。
そんなある日、彼は20歳の女子学生に強烈に引かれ、歳の差も社会的な立場も考えずに彼女を追いまわすようになる。半ば強引に彼女と関係を持ったデヴィッドはセクハラで告発され、軽蔑されて憎まれて、追われるように大学を去る。
仕事も友人も失ったデヴィッドは、娘がきりもりする片田舎の自作農場へ転がり込む。誰からも見捨てられた彼を受け入れてくれる娘の温かさ、自立した生き方に触れることで恥辱を忘れ、粉砕されたプライドを繕おうとし、再生の道を模索する。
だが、ようやく取り戻したかに見えた平穏な日々を突き崩すように、三人の暴漢に家を襲われ、娘が陵辱される。
実は隣人の男性が、娘の農場が欲しいがために暴漢に襲わせたのだとデヴィッドは気づく。
デヴィッドは娘に農場を離れ生き直させようと説得を試みるが、娘は頑なにそれを断り、とにかく耐えしのぶ日々。
生活を脅かし、恥辱を味わせたにもかかわらず、農場を去ろうとしない娘に痺れを切らした隣人男性(既婚)は、農場を手っ取り早く自分のものにするため、娘に重婚を申し込む。娘はそれを受け入れ、エンドオブストーリー。
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本文には、頻繁に動物が登場します。
動物と動物に深く関わる人間に影響された主人公の心の変化が、小説に細かく描写されていて興味深く思いました。
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「ええ、屈辱よ。でも、再出発するにはいい地点かもしれない。受け入れていかなくてはならないものよ。最下段からのスタート。無一文で。それどころか丸裸で。持てるものもなく、持ち札も、武器も、土地も、権利も、尊厳もなくして。」
「犬のように。」
「ええ、犬のように。」
主人公の娘の名前はルーシーと言います。
ルーシーは、命ある限り、どんなことがあってもそこで生きていきます。
ルーシーに関して、納得がいかない、理不尽、可哀想、もっと自由に好きなように生きれば良いのに・・と思うかもしれません。しかしそれはルーシーが人間だから。動物だったら同じように思うでしょうか。魚だったら同じように考えられるでしょうか。私たち人間の理性が試されています。
地球にいる動物たちが、「私たちはまるでルーシーのように理不尽を強いられ虐げられているんだ、助けて!」って叫び声が聞こえてくるような小説でした。
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