話し合いは一階の広めのフロアで行われた。
通常、研修会議などでも使われているようだ。
いつものように玄関ではにこやかに挨拶したスタッフだったが、会議用にセッティングされた席につくと、みんなひきしまった表情になった。
私は、母が転んだ時のこと、もちろんその時は緊急事態で詳しく説明する暇がないにしても、その後でも、
"どのような状況で転び、どのような感じの怪我(初見)か"
初見もそうだし、診察後も、心配をかけないように配慮してくれたのかもしれないが、現実的に酷い怪我であったなら、きちんとわかるように伝えてほしいということを話した。
👩🏻「先生のお話しでは、どういう転び方をしたのだろうと訝るほどのひどい怪我で手首は骨が飛び出そうなほどだったので、手がブランとしてしまって大変だったのでは?と言われて、改めて驚いた次第です。でも、当日の連絡では明るい調子でその緊迫感は伝わりませんでした」
(特養からの最初の連絡⬇️ )
(明るい報告のお話はこちら⬇️)
皆、神妙な顔をして、その場で怪我をした状況を説明してくれようとしたが、
残念ながら、その場に集まったスタッフは1人も怪我の場に居合わせていなかったし、また、確認も何度かしたようだが、私に説明したスタッフからの説明であれば私が知った内容と大差なかったかもしれない。
それでも、情報をかき集めてきてくれたのだろう、丁寧に話しはしてくれた。
時間帯も夜で、人手も手薄だったようだ。
この時、七条さんもしばらく休みだった(これは本当に痛かった😣)
ケガをし、その報告もきちんとされず、入院したらそれっきりで、挙句に届出もしていなかったということで、自分の中の特養への信頼が少し揺らいでしまった思いも正直に話した。
ただ、昔、老健の話ではあるが、入院になりそうだと荷物も全てまとめられて病院に送られるなどという話もあり(『親の介護をする前に読む本』にも書いてありますね)、また、叔母の時に入院したら在宅サービスのスタッフはノータッチになるから、特養もそういうことなのかも聞いてみた。
七条さんが、入院しても入所者であることは変わりないので、もっと利用者家族と連絡を取り合い、気持ちに寄り添うべきであったし、これからはそうしていくべきだと話し合った旨を答えとして伝えてくれた。
また、これからの転ばない対策については、スタッフの方から、(七条さん他スタッフの皆さん、👩🏻💼)
「風子さんはお部屋に戻られると、最近、やはりお部屋の中をちょっと立って歩かれたりするようで、回復は嬉しいのですが、やはりそうなると転倒が心配です」
「お部屋の中なら、少し物の配置を工夫したりして、よろけそうになったらご自身ても手を添えられるようにしたらとも思います」
「ちょうど風子さんの部屋はスタッフが常時いる所の前くらいですから、ドアを閉めずに開けておくようにすれば、中の様子もすぐにスタッフにわかると思います」
👩🏻💼「でも、常に開けっぱなしではプライバシーが保たれないので...。
ご家族様がご了承頂ければ、のれんのような物をつけ開けておいたらどうでしょう」
「のれんであればドアと違い、スタッフも中の様子を察知しやすく、また風子さんも開けっぱなしよりも落ち着いて生活できるのではないでしょうか」
個室の部屋の中での転倒を防ぐために"のれん策"(?)を試してみることになった。
ユニットのリビングでは、スタッフが今まで以上に気をつける、申し送りもしっかりする、椅子に座らせて、椅子の音に注意するなどが確認された。
不安が全くなくなったと言えば嘘になるが、皆さんが今回の反省のもと、いろいろ考えてくれて、母を見守ってくれようとしている気持ちは伝わってきた。
もう少し様子を見てみよう。
性善説だと笑われるかもしれないが、今まで笑顔で接してくれたこの人たちが、いいかげんな人たちとは思いたくなかった。
ただ、話し合いにユニットの介護スタッフが参加していないのは気になった。
現場のスタッフが一番母に関わるから。
でも、コロナ禍でいろいろイレギュラーに忙しいだろうし、人手もいっぱいいっぱいの中、スタッフが話し合いに参加して、ユニットを留守にすることは難しいよね😞
(つづく)