娘のことに気がつき(娘ちゃん、忘れててゴメン🙏)、慌ててスマホを確認する。
まずは、実験が長引いてしまい、ギリギリになってしまいそうだが、向かっている
というラインが入っていた。
それから、道に迷ってしまったというライン
着信履歴も何回も
娘は私に似て、方向音痴だ。
慌てて電話をかけると
👧🏻「既読にもならないし、電話も出てくれないし😭 おばあちゃんは?」
夫が代わり、まわりの建物などから、娘の迷ってる場所を特定(?)して、指示を出してくれた。
👨「そばまでは来てるみたいだよ」
うーん、ダメもとで、これから会えないかどうか、七条さんに聞いてみようか。
特養の駐車場にもあまり長く車を停めておけないので、夫と息子は先に帰って行った。
そして七条さんが契約や会議のために私の所へ来た時に思い切って
👩🏻「娘がもうすぐ来るのですが、母に一目でも会わせることは難しいでしょうか?」
と事情を説明して聞いてみた。
七条さんはちょっと考えてから
「またしばらく会えなくなってしまいますからね。少しお待ち下さい」
と上の居室の階へ連絡してくれた。
そして
「少しなら大丈夫ですよ。どのくらいで来られますか?」
👩🏻「少々お待ち下さいね、娘に連絡しますから...」
娘に電話すると、もう建物が見えているという。
それを聞いて、七条さんは
「じゃあ、今、お連れしますね😊」
とエレベーターに消えていった。
私は玄関から外へ飛び出ると、向こうから走ってくる娘が見えた。
息急き切って娘が到着した。
急いで2人で中へ。
ちょうど、エレベーターが開いて、七条さんが車椅子に乗った母を連れて来てくれた。
👧🏻「おばあちゃん!!」
👵🏻「まあ、○○ちゃん(娘)も来てくれてたの?」
👧🏻「うん、ごめんね、遅くなっちゃって。でも、会えて良かった!おばあちゃん、元気だった?」
👵🏻「あやまることなんかないわよ。
おばあちゃんも会えて嬉しいわ。お勉強がんばってる?」
👧🏻「うん、実験がんばってるよ」
👵🏻「そう、なら良かった。でも無理しすぎないようにね。体を大事にね」
👧🏻「おばあちゃんもね、また会いにくるからね」
👵🏻「また来てちょうだいね、待ってるわ」
名残惜しいが、特別に会わせてもらったので、時間はあまりない。
「また、面会日を予約して会いに来て下さいね。コロナがおさまって、早く自由に会えるようになるといいんですけど」
👧🏻「会わせて下さって、ありがとうございました。
それじゃあ、おばあちゃん、またね」
エレベーターの扉の中に消えるまで手を振っていた娘だったが、エレベーターの扉が閉まると私の肩に顔を埋めて泣き出した。
👩🏻「ずっと会えないわけじゃないから」
私は自分にも言い聞かせるように言いながら、嗚咽する娘の肩を撫でた。
娘は習い事の送り迎えなども母がしてくれていて、いつも一緒だった。
小さい時によく
👧🏻「おばあちゃんもずっと一緒に住めるおうちを私が大人になったら建てるから、ずっと一緒だよ」
と母に言っていた。
だから、娘は娘なりに、母を施設に入れることに抵抗があったのかもしれない。
でも、とにかく少しでも会うことができて良かった。
七条さんの対応に心から感謝した。
私もまだこれから契約があったし、娘も実験の残りがあったので、そこで私が1人残った。
すぐに七条さんは戻って来て小さな談話室でまずは契約の取り交わしを行うことになった。
(つづく)