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何とか病院へ行くことになりタクシーに乗り込んだ私たちです。続きです。前回の話はこちら⬇️
タクシーに乗った瞬間から、
「お金は私が払うから」
と財布を出していた叔母。揺れる車の中で財布を開いて、小銭をチャリチャリいわせているので、落としたら大変と、私が
「まだだから、大丈夫よ」
と言ってもなかなか財布をしまおうとしない。
私が払うからと言うと、叔母は
「大丈夫よ、私が払うから。いくらかしら?」
と何度も言うので、とにかく落とさないように、こちらも何度も言わなくてはならない。
いよいよ到着して支払いの時になったら、今度は、なかなか財布からお金を出すことが出来ない。目も良くないだろうし、手先も少し不器用になってきているし、耳も遠いから、何度も聞き返すが聞き取れない様子。
病院の予約の時間も迫っているし、運転手さんにも悪いので、結局、私が財布を出して、支払いをした。
そして、ありがとうございました、と叔母を促して降りようとすると、叔母はまだ財布の中から小銭を集めていて、
「支払いを」
と言うので、運転手さんも
「もう頂きましたから、大丈夫ですよ」
と言うと
「あら、やだわ、私が払うって言ったのに。いくらなの?私が払うわよ」
と、小銭をたくさん手に持ち始めた。
運転手さんも苦笑するし、私も焦りながら
「もう払ったから、大丈夫。時間が間に合わなくなっちゃうから、ほら、杖を忘れないでね、私につかまって」
それでも叔母は
「悪いわ。私が払うから!運転手さん、おいくらなの?教えてちょうだい」
支払いは二千円程だった。
財布から手にいっぱい小銭を集めて数えている姿に、
おばちゃん、それを全部小銭で払うつもりかい?!とつっこみたくなるのをおさえながら、
「わかった、じゃあ、立て替えたということで、後でもらうから、とにかく降りよう」
と叔母を急がせた。
「そう?絶対、後で言ってね。わかったわ。じゃあ行きましょう」
小銭を何とか財布におさめさせて、よろける叔母の体を支えてやっと車から降ろした。
運転手さんも良い方で、この珍妙なやりとりで時間をとられたにも関わらず、
「慌てなくて大丈夫ですよ、ありがとうございました、気をつけて」
と言ってくれて、
頭を下げる私に、大変ですね、というように私を見た。
まだ病院に着いたばかりなのに、もうこの時点で私は汗だくだった💦
そして次なるハプニングが私を待ち受けていた
(つづく)