今回の第二話より蟻たちは、人間をいかにして滅ぼすかについて会議を始めます。そこで今回から参加型小説とします。「このようにすれば人間に壊滅的な打撃を与えられる」といった案を思いついた方は蟻たちにコメントください。次回の会議でその案を蟻たちが取り入れます。あなたも蟻の巣の一兵隊になった気分でぜひ読んでください。
第二話↓
木の円卓に沿って置かれた、最後の空席が埋まる。
「全員揃ったようね。ではこれより戦争会議を開始する!!」
女王の言葉を合図に、門番が自分の体よりも大きな石を前足で転がして、会議部屋の出入り口を塞ぐ。室内の温度が急に上がったように感じる。湿気と怒りと士気が満ちている。
「皆の者、いよいよ行動を起こす時だ。ヒトは我々蟻の、いや、地球上の全ての生き物の敵だ。奴らの最大の罪はその"無関心さ"にある。奴らは自分たちの行いがどれほど周りに害をもたらしているか、まるで自覚していない。違うか?」
「その通りです、女王陛下」
「女王陛下、奴らはきっと争いと破壊をする事しか能がないのです。そんな奴らは滅んで当然だ!」
「少将殿の言うとおりだ、奴らは同じヒトという種族同士で争い合う愚かな生き物だ。そのくせ自分たちがこの世界の王であるかのように傲慢に地上であぐらをかいている」
皆が一斉に不平を漏らす、女王と、ただ一人を除いて。
「おい、勘違いするな。問題なのはそこではない」
老兵がおもむろに口を開く。老練な幹部たちの中でもやはり一際威厳を放っている。
「同じ種族同士で争いを繰り返す事が罪なのか?それならば我々蟻とて、同じ種族である他の巣の蟻と戦争を繰り返している。まるでヒトと同罪の愚かな種族ではないか」
さっきまで不平を漏らしていた辺りのものがすーっと口をつぐむ。
「問題なのはむしろここだ。奴らヒトは、ヒト同士で戦争をする際、敵国の大地を火の海に変え、わけの分からぬ兵器で土を、空気を汚す。その過程で我々の仲間である蟻や、多くの生き物の命と住処を奪う。しかしだ、奴らの嘆きは常に自分たちの中にある。『我々の土地が!!』だの『私の息子の命を返して!!』だの、我々他の生き物からすれば、この土地はお前たちの物でもなければ、関係のない我々多くの蟻の命を奪っておいて、嘆くのは自分の可愛い息子の命だけか、と。奴らは逆の立場になってみないと、どうやら分からんらしい。
自分たちの争いに関係のない者を巻き込みすぎている、その自覚が奴らには明らかに足りない。それが女王陛下のおっしゃる
"無関心さ"ではないのか?」
「その通りだ」
女王が一言添えた。
辺りからは先ほどまでの熱が引いている。代わりに老兵への畏敬の念と、やはりヒトを許すことができないという、冷たい怒りが渦巻いている。
「そこで私から、お前たちに問う」
女王陛下の目の奥が一瞬光った。
「ヒトが、最も失って困るものは何だと思う?」