ネイリストは、ルックスこそ派手な職種といえますが、実際こなしている仕事は驚くほど地味という世界。
人によって爪のデカさに差があるものの、縦横約1cmあるいはそれ以下なわずかな面積の爪に、決まりきった所定時間内にマニキュアやジェルを塗って、アートを施術していくというお仕事。 一般的にはあまり知られていませんが、離職率が想像以上に高い職種といえます。
サークル仲間の坂本さんが証言するには、ネイルサロンに10人入ったとして、残れるのは2~3人という。退職する理由で最も多いのが給料だと言う。
ネイリストになるには専門学校から
ネイルサロンでやっていくには、ネイリスト検定を保有していることが条件のひとつになっているサロンがほぼ全部という。そもそも、とりあえずネイリストになろうと考えたら、専門学校等でテクニックを学ばなければならない。検定は3級からあるわけですが、当然履歴書に書けるわけではない。
一般的な資格である1級や2級を取ろうと思うのであれば、専門学校のプロフェッショナルプランに入ることが必要不可欠。驚くべきは、この時点でまず100万円は必要なのだと言う。 恐るべし資格商法と思ったのは私だけだろうか…
その後も個々に教材を購入していかなければ特訓できないで、必然的にお金だけはそのたびに次々と出ていくという。おまけにネイルの教材となるものは価格がそれなりに高い物ばかりという現実が待っている。
40代でもネイリストは給料が激安い
問題なく専門学校を卒業できたとしても、お金の悩みは尽きないという。ネイリスト歴2年で副店長になった坂本さんさえも、「 OL時の給料のほうがよっぽどよかった 」といいます。余談ながらが、坂本さんが最初に勤務したネイルサロンは時給600円だったという。「 それって法令違反なのでは? 」と思わず突っ込んでしまいましたが、スキルアップのため、文句を言えるような状況ではなかったそうだ。
なお、国の法律で定められた最低レベルは、東京都の場合で時給958円。 こういう給与体系のネイルサロンの場合では、2級取得者で時給750円前後という、高校生のアルバイト顔負けの時給だ。民間の会社に勤務していて、「 産休後も、手に職を付けて生きていきたい 」とネイリストを目指す人も多いそうですが、OLの給料を経験してしまったあとでは、やはり続けるのは難しいのではないだろうか?
次の多いのが「 自身の時間が持つことができない 」という理由でネイリストの道を諦めてしまう人だという。ネイリストになったとしても、専門学校時代と同様にトレーニングの連続だと言います。開店前と開店後にトレーニングして、帰宅してからもトレーニング、もちろん公休日も職場の休憩室でトレーニングと思っていたよりも過酷。ネイルサロンに入りたての新人は、子育て中の主婦だろうが自分の時間は持てないという。
どこの世界も易しくはないものですね、転職支援をしている斉藤でした。