実のところ40代に入ると親の介護は、誰もが遭遇し得る大きな問題ではないだろうか。
しかしながら、年々加速している晩婚化の影響で、1990年代なら結婚して10年、20年経った夫婦二人で苦しい思いをしていた論点だが、2018年現在では結婚前の独身者が誰にも頼ることができずぶち当たるケースが増えてきている。
独身の大村さん(41歳)にとって、この問題が残念なことに憧れの結婚という選択肢の障害になっているという。大学職員の大村さんは、以前は出版社のセールスマンとして働いていたが、度重なる残業から過労で体を壊してしまい、1年間の無職生活を経て今の職場になんとか転職できたという。
婚活を始めた40代に降りかかる悲劇
このチャンスを逃さないよう本格的なパートナー探しを開始したところ、その途端に両親から同居を迫られたのだという。 彼は元来研究員になるため留学していたため、まともに就職できたのは30歳過ぎだという珍しいケース。
それからも後れを取り戻そうとなり振り構わず働き、ロマンスどころではなかった。ところが、両親のせいで婚活どころではなくなってしまったという。
大村さんは1人っ子。75歳になる父親は何年か前に深刻な病を患い、歩行に杖を必要とするほどカラダの不安を抱えており、今年70歳になる母親も衰えがはっきりとしてきたらしい。
両親は共に「 息子に迷惑をかけたくないから、私達は老人ホームに入るつもりだ 」と言っていたが、「 そんなことは言った覚えはない 」と主張し始めて頑として譲らないという。
この言った言わないは大村さんを相当当惑させている。 今は、仕方なく週末のみ実家で過ごすようにしているらしいが、母親が「 独り暮らしをしていないで、うちから仕事に通えるじゃないか!!アパート代がもったいない 」と言って聞かないという。確かに通えない距離ではないようですが、片道2時間はキツいですよね。
「 しかも同居を検討するなら、転職も視野に入れておかなければなりません。ですが40代で転職なんて大変と聞いていますし、できればそれだけは避けたい。今の職場も先生のコネを使って無理やり雇ってもらった職場ですし、色々考えると苦しいです 」
結婚相談所にも拒否られる
大手結婚相談所にも通ってみたが「 いくら年収が高かったとしても、一人っ子で41歳、両親付きなんて条件を受け入れる女性はいない 」と暗に紹介を断らてしまったという。
しかも、今風の婚活事情をを理解できない両親が「 早く結婚して、私達も早く孫が欲しい 」と精神的に追いつめてくるというからタマッたもんじゃない。
「 本当のことを言うと、外国の大学にチャレンジしていた20代後半に、真剣に結婚を考えていた女性がいました。同じ境遇の女性で、お互いの研究に没頭するため別れてしました。でもそれが、今までの人生で唯一と言っても過言ではないチャンスでした 」彼は本当に後悔しているようだ。
そんな彼も、現在は婚活も半ば挫折モードに入っている。父親はいずれ歩行自体が厳しくなる可能性が大きく、近く訪れるであろう現実に備えて介護講習会に参加するのが日課になってしまったという。
「 20代30代と頑張って生きてきたのに、40代以降は親の介護って僕の人生何だったんですかねぇ? 」できることなら親を捨てて逃避行したいと言うが、本当にできることならの話ですね。
私も介護施設で働いていますから、「 老人になると、頑固で大変です 」には本当に同情してしまいます。彼らは頑として譲らない。言った言ってないでトラブルになる、
「 私達は後数年の命。これぐらいのワガママ聞いてくれてもエエやろ 」が彼らの口癖。巷で「 老害 」と呼ばれてしまうのも分かるような気がする。転職支援をしている斉藤でした。