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結婚前に受けたモラハラは少なかったとは言え、今でも記憶に残っている事があります。
私は接客業なので、特に気になるのが臭いです。
体臭は自分でもチェック出来るので、毎日お風呂に入って綺麗に洗っておけば問題は無いのですが、口臭だけは自分では良く分かりません。
これまでは、付き合った人に口臭のチェックをしてもらっていました。
それでも、臭いと言われた事はありませんでした。
前妻とお付き合いし始めた時にも、これまでと同様に口臭のチェックをして貰う事にしました。
はーっと息を吐いて、臭いを嗅いだ彼女に、
「どう?臭う?」
と聞くと、
「うーん……臭うかな」
と、鼻をしかめ少し困ったような顔をしました。
私はその日から、口臭が気になるようになりました。
これまで以上に歯も磨くようになりました。
マウスウォッシュも使用しました。
唾液がなるべく出るように舌を動かすようにしたり、ガムを噛んだり、水分をまめに取るようにして、口の中が常に湿っているように努力しました。
今でも前妻の呪いが残っているのですが、電動歯ブラシで10分以上磨いてしまいます。そしてその後、手磨きとマウスウォッシュで仕上げます。舌磨きもします。
現妻には、
「電動歯ブラシでそんな磨いたら、エナメル質が削れるって!」
と毎回言われます。
「全然臭くないって」
「臭いと思った事無いよ」
「臭わないって」
と何度も言われますが、でもやはり歯磨きだけは手を抜けません。
20年以上前妻から呪いをかけられていたのです。これはもう一生抜けない習慣かも知れません。
少し脱線しましたが、過去に戻りましょう。
たまたま仕事の休みが合った時に、彼女のアパートにお泊りしました。
その次の日に、共通の友人に会う為に、二人で出掛ける事になっていたからです。
出掛ける前に、洗面所で歯を磨いていました。
私は友人に会うので、念入りに二回磨く事にしました。
時間にして20分以上磨いていたと思います。
「そろそろ洗面所開けてくれない?」
少し苛立った言い方で、前妻はそう言いました。
「もうちょっと待って」
と私は言いました。洗面所を使用したい時に使用出来ない事に腹が立った前妻は、私にこんな暴言を吐きました。
「どうせ磨いたって臭せえんだから、とっととどけよ!」
この時前妻は19歳でした。
とても19歳の女の子が言う台詞ではありませんが、22歳の若く女性と付き合った経験も乏しかった私には、全く気が付きませんでした。
この女が恐ろしいモラハラ女である事が。
しかし確実にこの時から、呪いはかけられたのです。
そしてその呪いに、今でも私は苦しめられているのです。