mp3ネタ(おそらく最終)

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mp3の音質について…
かつてはmp3の規格開発元であるFraunhoferに優位性があったが、ある時点でLAMEがFraunhoferを追い越すという逆転現象が起こる。
Fraunhoferがコーデック開発を終了した後も、LAMEは開発を継続し、高音質を追い求め続けた末の偉業である。

音というのは聴き手の感覚や感性といった主観に左右されるため、客観的評価が難しいとされている。
そこで、オリジナルのwavファイルとmp3ファイルのスペクトログラムの差分を抽出し、黒の割合から一致率を調べるという方法で、代表的なエンコーダーをいくつか試してみた。

  1. Audioactive Production Studio v.1.5.5b
    v.1.5.4よりもコードが洗練され、速度追求のために品質を犠牲にしたv.2.0.4Jよりも高音質だとされるバージョン(コーデック:Fraunhofer-Gesellschaft IIS professional)。
    256kbps 48kHz CBR/黒の割合:51.3%

     
  2. mp3 Producer v2.1
    Fraunhoferの子会社にあたるOpticomが発売した公式フロントエンドの最終バージョン。複数ファイルを同時にエンコード出来ず、使い勝手は難ありだが音質は上々(コーデック:Fraunhofer-Gesellschaft IIS professional)。
    256kbps 48kHz CBR/黒の割合:50.6%

     
  3. dBpoweramp
    高精度なリッピング機能や各種フォーマットへの変換機能等、音楽関係者も愛用する使い勝手と高音質を兼ね備えたソフト(コーデック:(LAME 3.100.2.1)
    256kbps 48kHz CBR/黒の割合:57.5%

    256kbps 48kHz VBR/黒の割合:56.7%

     
  4. Yunasoft MP3 Encoder Ver0.86a12J
    外部コーデックを使用可能な国産フロントエンドの最終バージョン。コーデックさえ入手できれば、上記の高額ソフト以上の使い勝手で寸分違わぬ高品質mp3が生成可能なソフトだが、ある事情で公開中止に…(コーデックはRadium Codecと呼ばれるもの(Radium Fraunhofer MP3 codec v1.263i)を使用)。
    256kbps 48kHz CBR/黒の割合:51.2%

【総括】
冒頭述べたように、LAMEの方がFraunhoferより原音に忠実=高音質であることが見て取れる(黒の割合=品質)。
最新のLAMEを用いたCBRエンコードが最も高品質で、発売時期が最も古くコーデック品質が発展途上にあったmp3 Producer v2.1が最下位という、非常に理に適う結果となった。
更にAudioactive Production Studio v.1.5.5bとYunasoft MP3 Encoder Ver0.86a12Jがほぼ同品質というのも、Radium~がFraunhoferの改造版(320kbpsまで対応)であることから、納得の結果である。

上に挙げたソフトの大半(ぜんぶ?)は入手困難なものばかりだが、ネット上の戯言や過去の遺物に囚われることなく、mp3は以下のいずれかでエンコードするのが手軽かつ最良である。

1.LameDropXPd(フリーウェア、最新のLAMEが同梱)

2.dBpoweramp(シェアウェア、ほぼ最新のLAMEが同梱(差替可))