遠い未来に | 店舗探し.comの過去コラム

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2013/1/24

私たち人間は、自らを高等動物と称してヒエラルキーのトップに
据え、以下、チンパンジーからアメーバに至るまで序列をつけて
います。

もちろんトップに君臨するとされる私たちに不服のあるはずはあ
りませんが、もし動物たちに意見を聞くことが出来たら、不満を
漏らすものがたくさん出てくることでしょう。

「俺様がこの地球上の生物で一番大きいんだから、俺が一番に決
 まっているだろう。」

シロナガスクジラは、大声でわめきます。

「相撲を取ったらうちの子どもだって白鵬ぐらい簡単にぶん投げ
 てやれるさ。人間より下ってことがあるわけがない。」

ツキノワグマは不満を漏らします。

チーターはウサイン・ボルトよりも速く走れると声を荒げ、そも
そも人間は空を飛ぶことすらできないじゃないかと、鳥たちは鳴
き叫びます。

動物たちから吊るし上げを食ったときに、有効な反論の手立てと
は何でしょうか。
人間以外の動物たちに、決定的に欠けているもの、それは、
【遠い未来に対する感覚】です。

ゴリラの親子が、将来の進路について意見が分かれたからと家族
会議を開くことはありませんし、ライオンが老後に備えて獲物を
貯め込んでおくことはしません。
未来についてシミュレーションし、プランを立てる能力は、人間
だけが持っている高度な能力なのです。

ところが、未来に対するシミュレーション能力の違いによって、
人間の中でもさらに序列がつけられることがわかっているそうです。
心理学の研究によれば、「欲求の満足を先延ばしにする能力」が
高い人ほど、結婚や仕事、財産などでの成功の可能性が高いのです。

“すぐに欲求を満足すること(マシュマロをもらって食べるなど)
 を控えられ、長い目で見てもっと大きな報酬を得ようとする
 (マシュマロをひとつでなくふたつ手に入れる)子どもが、大
 学進学や人生、結婚、仕事において、将来の成功を測るほぼす
 べての尺度で一貫して比較的高い得点をあげていた”
  (『2100年の科学ライフ』ミチオ・カク著 NHK出版より)

「お互い仕事はまだ残っているけど、まあ、明日やればいいよな。
 さあ、飲みに行こうぜ。」

そんな時、付き合いを断ってただひとり黙々と仕事を続けるよう
な、付き合いの悪い同僚こそが、将来の出世競争を勝ち抜いてい
く・・・。
わかっちゃいるんですがね。