2011/10/18
「しのぶ」から「おふく」そして「さっこ」。
京都から神戸そして横浜へ・・・。
かつての流行歌ような源氏名の変遷ではありません。
京都の舞妓さんの結い髪の呼称です。
舞妓になりたての時には「割れしのぶ」という髪型を結い、
2~3年後には「おふく」を結い、芸妓への襟替え1~4週間
前のほんの短い期間だけ「先笄(さっこ)」を結うのだそう
です。
少女から女へ。
わずか数年で、女性は劇的に変化します。
次世代を担う子供を人生のほんの短い一時期の間にしっかり
産まなければならない宿命にある女性は、いち早く一人前の
大人になる必要があるのでしょう。
少年から青年へ。
生涯精子を撒き散らすだけのオスは気楽な立場です。
体は大きくなり、ひげなど生やせば偉そうには見えますが、
中身はまだまだ子供のままであることが多いのです。
青年はうかうかしているとあっという間に中年になりますが、
無駄に年を重ねるだけでは、なかなか一人前の男とは認めて
もらえません。
頬濡らす そぼ降る雨の優しさに
溺れることも できないで
哀しさに ふりむけないで
雨の中一人佇む
全てをなくした今
ちぎれた心の糸が
身を縛り
あゝ 俺一人
朝もやを一人 彷徨う
この俺に似合うブルース口づさむ
Weeping in the rain
Weeping in the rain
挫折を重ね、ズタボロになり、酔い潰れて道端に倒れ込む。
ずぶぬれになりながらも立ち上がり、ふらふらと歩き出す。
足元は覚束ないものの、目だけは野性味を帯びて輝いてい
る・・・。
先日亡くなった柳ジョージさんが作詞する世界に登場する
のは、いつでも大人の男でした。
もう、あのセクシーな歌声を聞くことが出来ないのはとて
も残念です。
柳さんのようにかっこよくなることなどできませんが、
せめて自分に似合うブルースを口づさんでも様になる、
コクのある大人の男になりたいものです。