絶世の美女が眉をひそめる? | 店舗探し.comの過去コラム

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2013/7/12

沈魚・落雁・閉月・羞花。

絶世の美人を表す言葉です。
元々は西施・王昭君・貂蝉・楊貴妃という中国四大美女の美しさ
を例えたものです。

川で洗濯をしていた西施の美しさにみとれて、魚は泳ぐのを忘れ
て沈んでしまい、馬上で琵琶を弾いている王昭君の姿に、雁は羽
ばたくことを忘れて空から落ちてしまいました。

物思いに沈む貂蝉のあまりの美しさに月も照れて雲に隠れてしま
い、楊貴妃が近くを通ると、花はその美貌に気後れし、恥ずかし
くてしぼんでしまうのでした。

沈魚美人と言われた西施には心臓に持病がありました。

ある日、発作が起きて胸元を押さえて顰(眉間)にしわを寄せた
西施の姿はなんともなまめかしく、か弱い女性の美しさがにじみ
出ていました。
彼女が里から歩いて来るその様に、里の人たちは皆、目が釘付け
になりました。

その様子を見ていたある醜女は、眉をひそめれば自分も美しく見
えると思い、盛んに真似をしました。
しかし、里の人たちには気味悪がられるばかりだったのです。

「顰(ひそみ)に倣う」

とは、善し悪しを考えず、むやみに人の真似をすることを言いま
すが、この西施にまつわる故事から来ています。

「困り眉」というのがはやっているそうです。

眉頭は太めに描き、眉尻は下げて困ったような八の字眉にするも
ので、AKB48の大島優子さんや渡辺麻友さん、島崎遥香さんらは
皆、困り眉にしているそうです。

困り眉は、今にも泣き出しそうで辛そうな表情を作り、頼りなげ
でかよわい女性像を演出します。
鼻の下をのばした男どもは、「守ってあげたい」「愛らしい」と
の気持ちを掻き立てらるという寸法です。

バブル時代には女性が堂々と存在感を主張するためか、黒々と力
強い太眉がはやっていました。

2000年代のゆとり世代は、空気を読み、無理をせず、自分だけ目
立ちたくないと、おとなしい印象を与えるナチュラル眉が主流に
なりました。

長引く不況で、男の眉間には深い皺が刻みこまれてしまい、少々
の円安や株高で消えるものではありません。
困った顔のまま固まってしまった男心を引き寄せるためには、男
の眉間のしわよりも更に角度の鋭い八の字型の困り眉が有効なの
かもしれません。

早速、ご自身も困り眉を取り入れようという方は、もちろん
「顰に倣う」の教訓を忘れてはいけません。

「君、トイレでも我慢してるんじゃないか?さっさと行ってきな
 さい。」

無神経な上司の一言に、せっかくの困り眉の目尻が吊り上ってし
まうことのないように、くれぐれもお気を付けください。