ひこばえ | 店舗探し.comの過去コラム

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2012/11/26

「ひこばえ)とは、樹木の切り株や根元から生えてくる若芽のこと
です。
太い幹に対して、孫(ひこ)に見立てて「ひこばえ(孫生え)」と
いいます。
 
一般に果樹の場合、ひこばえは切り落とします。台木から生える
ひこばえは成長力が強く、放置すると肝心の果樹部分を越える勢い
で成長する為に、果樹の生長が阻害されてしまうからです。

ひこばえは早期に除去することがポイントです。

除去方法は、台木から生えたひこばえを、鋏やノコギリで切り落と
すだけです。
量が多い場合、乱暴なやり方ですが草刈機の刈払機で切り落しても
良いのです。

台木部分は生命力が強く、病気にも強い為、切り落として放置して
おくだけで大丈夫なのです。
 
しかし、もし肝心の果樹の部分が、病気や害虫で大きな被害を受け、
再生が難しい場合は、ひこばえは切り落としてはいけません。
むしろ大きく育てて接木を行うことで、果樹を再生することが出来
ます。
 
森林を伐採した後、切り株からのひこばえによって新たな森林がで
きるようにすることを萌芽更新といいます。

伐採された後には地表に太陽光が届くようになり、ひこばえだけで
なく、周囲に落下していた種子からの天然更新も促されるので、
森林が再生されます。

定期的な伐採とひこばえによる台木によって、日本の里山は、永続
的に再生されてきたのです。
 
さて、日本です。

まだまだ果樹は力強く、果実を実らせる事ができるポテンシャルを
持っているのでしょうか。

それとも、リーマンショックや東日本大震災による被害によって、
すでに果樹の再生は難しくなっているのでしょうか。
 
ちょろちょろと芽を出し始めたひこばえはさっさと刈り取ってしま
って、元の台木の再生力に委ねた方がいいのでしょうか。

それとも、思い切って台木を切り倒し、まだまだひ弱なひこばえや、
地面で眠っている新しい種子の芽吹きに期待した方が賢明なので
しょうか。
 
日本を森林に例えるならば、タイミングは別として、いずれは伐採
し、萌芽更新と天然更新をしなければ、森林は消滅してしまう運命
にあることは間違いないのです。