おふくろの味 | 店舗探し.comの過去コラム

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2013/11/11

バナメイエビ⇒芝エビ・・・×
 
昨日の朝収穫⇒朝採りレタス・・・△
 
中年男性コックが調理⇒おふくろの味の定食・・・△
 
知り合いのラーメン店で、皮の色が黒い肉まんを開発し、
「黒豚マン」とメニューに載せていたところ、

「黒豚を使っているんですか?」

とお客様に何度も聞かれたそうです。
そのたびに、皮の色が黒いだけで黒豚は使ってない旨、
説明したそうですが、結局メニューから外すことになり
ました。
 
店主は、一種のシャレとして開発したそうですが、今なら
偽装表示と訴えられていたかもしれません。

ちなみに、皮を黒くするためにはイカ墨をたくさん使用
したそうで、豚肉で黒豚を使うよりよほど高くついたそう
です。
 
【おふくろ】とは“母親”のことですから、子供のいない
女性が作った料理を「おふくろの味」と言えば厳密には
虚偽表示となるのでしょうか。
 
母親が買ってきたスーパーの惣菜しか食べていない子供
ばかりが多数を占めるようになれば、既製品の惣菜こそが
「おふくろの味」なのだとの強弁もできるでしょう。
 
一連の偽装表示問題は、あちこちを巻きこんでの大騒ぎと
なってしまいました。

早速、国が乗り出しきて、表示に関する指針をどうすると
か、おせっかいを焼こうとしていますが、行きつく先は、
要領を得ないガイドラインとやらが作成されて、厳守を
迫られるなどの規制強化でしょう。

なんとも殺伐として夢のない決着が待っているようで気に
なります。
 
食はイメージです。
 
大好きな彼女と分け合って食べた塩結びは、涙が出るほど
おいしくて、意地悪な取引先の接待で食べる高級和牛ステ
ーキ(本物)など、砂を噛むような味しかしないのです。
 
もはや、高い和牛(偽表示で実はオーストラリア産)を、
破格の値段で食べられたとの幸せ気分を味わう、庶民派
味音痴にとっての良き時代は戻ってこないのでしょう。

分相応のオーストラリア産ステーキ(本物)を、その値段
なりに味わう以外にないのです。