2010/7/29
「ブルドッグ」と「バナナ」。
両者に共通する悲しい運命とはなんだかおわかりですか?
どちらも、人間の手助けがなければ、全く子孫を増やすことが
できないのです。(『いのちドラマチック』NHKBSより)
現在のブルドッグが持つ独特の様相は、人間が、牡牛と闘う犬と
しての適した姿形を求めて、およそ800年前から、人為的な交配
を繰り返した結果の産物です。
足は短く、胴体は細く、そして鼻はぺちゃんこに潰れた、現在の
風貌は人為的に作られたというわけです。
しかし、噛み付いた牛から振りほどかれないために潰された鼻の
せいで、犬が本来鼻で調節していた体温調節機能は弱くなって
しまい、細くなった胴体は、産道をも狭くしてしまうはめになりました。
ブルドッグの胎児は、母体の産道を通り抜けられないために、
ほっておくと母体内で腐ってしまうので、出産は100%が帝王切開
なのだそうです。
バナナに種が無いのは当たり前だと思っていましたが、元々は
硬い種でいっぱいで、とても食べにくかったそうです。
バナナの中で、種の少ないバナナを選って掛け合わせ、たまたま
できた変種の種無しバナナを、株分けによって増やしたのが、
現在食べているバナナなのです。
種が無いのですから、交配によっては増やせません。
私たちが食べている種無しバナナは、すべてが同じ遺伝子を持つ
クローンなのです。
同じ遺伝子を持っているために、ある種の病気にかかると、一気に
その種類が絶滅してしまう危険に、常に晒され続けています。
かつてGrosMichel種という人気のバナナが、パナマ病という病気で
壊滅状態にまで追い込まれたこともあるそうです。
薬に必ず副作用があるように、行為には必ず、その反作用とでも
いうべき現象がともなうものです。
何かの行動を起こすときには、必ず反作用としての現象があると
心して、その現象に配慮し、対応しなければならないのでしょう。
自分達の行為が、取り返しのつかない悲劇を演出してしまうこと
のないように・・・。