100万円をどう分ける? | 店舗探し.comの過去コラム

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2011/7/21

駕籠に乗る人、担ぐ人、そのまた草鞋を作る人・・・。

さて、目の前にある100万円をどのように配分すればいいので

しょうか?

『伸びる組織のための 人事・賃金基礎講座』
             赤津雅彦著 労働法令 

人が人の価値をお金で測ることなどできません。

しかし、ある判断基準に無理やりにでもはめ込んで制度化しな
ければ企業は人を使うことができないというのもまた事実です。

パイが増大していくことを前提にすれば、「年功序列型賃金制度」も

なかなかうまく機能することは歴史的に経験済みです。
しかし、今の日本では、ゼロ成長もしくはマイナス成長を前提に、
制度設計をしていかなければなりません。

少子高齢化も加速している現在、70歳雇用も当たり前という社会を

想定して生涯賃金の配分を考えるべきだと、本書では指摘していま

す。

グローバル化とは、文化や諸制度、経済力がまったく異なる様々な

国が押し合いへしあいすることです。
その影響は個々の国に及び、絶えず揺さぶりをかけることになりますから、各国の状態はいつも不安定で、先行きの見通しも立てにくく

なっています。

長期的展望が、人事・賃金制度の設計には欠かせないのだとすると、その作業は困難なものに思えます。

「生涯賃金」などという発想そのものが、説得力を持たなくなっている

気すらします。

おそらくこれからは、状況の変化に応じて、機動的に人事・賃金制度

の改訂に取り組まなければならなくなるでしょう。

長期的に通用する制度を確立することを目指すのではなく、従前の

制度を、その時点にとってのベストな制度にいつでも柔軟に改訂でき

るように、企業風土や制度策定の手続きを改めることが重要なのでは

ないでしょうか。

所詮、人が人の価値をお金で測ることなどできないのですから、いつ

の時代にも、現在ある人事・賃金制度に安住することがあってはなら

ないのです。