2013/4/30
「ゲゲゲの」の後に続くものと言ったらなんと答えますか?
「鬼太郎」「女房」「ゲ」。
ほとんどの方がこう連想されたのではないでしょうか。しかし、
「げ」とひらめいた方はよほどの演劇通でしょう。
『ゲゲゲのげ』は女優・劇作家・演出家として活躍している
渡辺えりさんが書いた戯曲で、1983年に、“演劇界の芥川賞”とも
いわれる「岸田國士戯曲賞」を受賞しました。
『ゲゲゲのげ』はいじめられっ子だった渡辺さん自身の体験を元に
書かれています。
いじめられっ子マキオが、孤独なダーティーヒーローとして描かれ
る鬼太郎とともに、学園に巣食う妖怪退治に挑む物語で、愛する者
を失った喪失感をいかにして埋めていくかをテーマにした作品です。
マキオは、渡辺さんの弟がモデルであり、渡辺さん同様いじめを
受けていたことを、後に渡辺さんが明かしています。
ここまで書いてきて今さらなのですが、『ゲゲゲのげ』について
書きたかったわけではありません。
『ゲゲゲのげ』が岸田國士戯曲賞を受賞したのが“30”年前、当時
渡辺さんが主宰していた劇団が“3○○”(さんじゅうまる)。
そして、今号が「店舗探し.comメルマガ」の“300”号。
というわけで、たわいのない数字の語呂合わせに付き合わせてしま
い、申し訳ありません。
“300”など、頭の数字以外が0の数や、11111のようなぞろ目、
12345のように連続したり、4649(ヨロシク)など、ゴロの良い数
を、総じて「キリバン」といいます。
遊園地や美術展の入場者がキリバンになると記念品が贈られたり、
今年なら2013万円の福袋を販売するなど、私たちはよほどキリバン
が好きなようです。
300号は確かにキリバンですが、その程度ではありがたいと思える
数字ではありません。
せめて1000号とか10000号とかでないと、胸を張るわけにはいかな
いでしょう。
渡辺さんによれば、『ゲゲゲのげ』には「下下下の下」という意
味をかけていたそうです。
300号ぽっちを話題にするのはまったく「下下下の下」でした。
せめて1000号あたりで取り上げれば、「下下下の中」ぐらいには
評価していただけるでしょうか?