習慣の力 | 店舗探し.comの過去コラム

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2013/11/20

 

「私たちの生活はすべて、習慣の集まりに過ぎない」
 
アメリカを代表する哲学者・心理学者であるウィリアム・
ジェームズの言葉です。
 
『習慣の力』
  チャールズ・デュヒッグ著 講談社
 
“私たちは毎日、何百という習慣の影響を受けている。
 朝、服を着て子供たちと話し、夜眠りにつくまで、習慣が
 管理しているのだ。
 昼食に何を食べるか、どうやって仕事を進めるか、仕事の
 あとに運動をするかビールを飲むかまで、習慣が左右する。”
 
間食や食後の一服などのちょっとした習慣から、アルコール・
ギャンブル依存症などの深刻なものまで、習慣化された行動は
断ち切ることが困難です。
 
習慣化された行動には、それを起こすためのきっかけがあり、
それぞれに報酬があります。
これが習慣を変えることを困難にしていると著者は言います。
 
しかし、習慣のルーチンを起こすきっかけと、その結果として
の報酬を特定することができれば、習慣を変えることはできる
のです。
本書には習慣を変えるための具体的なガイドも載っています。
 
習慣に縛られているのは何も個人に限りません。

企業や社会も、それぞれ独自の習慣によって縛られ、時にそれ
が成長や変化の阻害要因となっています。
 
不振に陥っていたアメリカの巨大アルミニウム企業「アルコア」
のCEOに就任したポール・オニール氏は、有名投資家や人気株式
アナリストが居並ぶ中、最初の挨拶で、宣言します。

 

「私はアルコアをアメリカ一安全な会社にするつもりです。
 目標は事故ゼロです。」

 

居並ぶ面々はあっけにとられました。
わけのわからないことを口にするCEOに早々に見切りをつけ投資
家たちは、すぐ株を売るように顧客に伝えました。
 
しかし、オニールが1年もたたないうちに、アルコアは記録的な
利益を上げます。

後にオニールはこう語っています。

 

「アルコアを変えなければならないことはわかっていた。
 しかし社員に変われと命令することはできない。だから最初は
 目標を一つに絞ることにした。

 ある一つのことに関わる習慣を壊せるようになれば、それが会
 社全体に広がるだろうと思ったんだ。」
 
本書には他にも、「ファブリーズ」が習慣の力を利用して突然
大ヒットした理由や、「スターバックス」が、問題児をリーダー
へと変える習慣を利用したメソッドなど、興味深い事例も紹介
されています。 
是非、ご一読を!