私は全然悪くない | 店舗探し.comの過去コラム

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2010/09/15

「 私は間違ったことはしていないのだから、【そんなこと】
が起きるわけはありません。
 もし、それでも【そんなこと】 が起きたのだとしたら、起
 きたことに私の責任はありません。
 私は正しいのです。」

この手の会話は、日本中のいたる所で交わされています。
例えば、こんな風です。

「 私が汚い顔をしていたら、あなたが恥ずかしい思いをする
 でしょ。だから念入りにお化粧していて時間がかかったの。
 待ちくたびれてむかついたって言うけど、愛するあなたの
 ためにお化粧してて遅れたんだからしょうがないじゃない。
 それでも私が悪いって言うなら、それはあなたがちっぽけ
 で度量が無いってことよ。
 私は全然悪くない!」

「 ママが、家のお手伝いをしてって言うからしたんだよ。
 お手伝いに時間を取られて勉強ができなかったんだ。
 テストで0点とったのは手伝いばっかりやらせたママのせい
 じゃないか。
 僕のせいじゃない。」

この手の会話の勝敗がどちらに決したとしても、建設的な進歩
があるわけではありません。
その場を制した方が、一瞬の心地よさを味わうだけです。
「私」や「僕」が恋人やママを言い負かしたとしても、きっと
「私」は次のデートも遅刻してくるでしょうし「僕」の成績は
よくならないでしょう。

「 部長の指示は、ただこの書類を先方に届けろとのことでした。
 何故、新製品の売り込みをしてこなかったのかと言われても、
 そんなご指示はそもそも受けておりません。
 指示されたことをちゃんとやったのに、正しく評価をしてく
 れずに、指示されてないことをやらないからと怒られるのは
 納得がいきません。
 まったく!やってられませんよ!」

この会話は、部下が自分の身の潔白を証立てるためだけに意味
のある会話です。
不毛なやり取りの末、部下の面目が立ったとしても、新商品を
売り込むチャンスを逃したことに変わりありません。
企業の業績にはひとつも貢献することがない、無駄な時間に給
料が支払われる結果になります。

恋人同士の痴話喧嘩や、家庭内のいざこざでは他人に迷惑は及
びませんが、企業内ではそうはいきません。

交わされる会話は、企業の利益を上げるという全社員共通の目
的を実現するために有効なものでなければなりません。

部長は出来の悪い部下に、書類を届けるついでに、新商品の売
り込みも忘れないよう、一言加えればよかったでしょう。
部下は、ちょっとした機会をも逃さずに営業するという執念を、
上司から素直に学べば成長できるのです。

そして、部長の声掛けや部下の成長は、確実に会社の利益に結
びついていくはずなのです。