2014/4/17
高い山では気圧が低いため水は100℃より低い温度で沸騰します。
逆に圧力がかかった状態では水の沸点は100℃より高くなります。
深海の火山から噴き出す熱水は300℃以上になることがあります
が、深海は非常に圧力が高く、300℃でも水が沸騰しない環境に
あるからなのです。
温度: 0.01 ℃
圧力: 0.006気圧
これは水の三重点です。
水は温度によって固体(氷)、液体(水)、気体(水蒸気)と
変化します。
しかし、温度と圧力が上記の時、氷と水と水蒸気の3つの状態が
平衡して共存できます。
具体的には想像しにくいのですが、実験で水の三重点状態を作
った動画があります。
https://www.youtube.com/watch?v=xYKT1MWNr4w
一方、374℃、218気圧を水の臨界点といい、それ以上になると、
水は液体とも気体とも異なる特殊な状態をとるようになります。
超臨界流体と呼びます。
超臨界水は、水と同じレベルの密度の高さを持ちながら、水蒸
気のように広がりやすく、水では入り込めない微細な隙間にも
流れていくことができます。
この性質を利用して、超臨界水はダイオキシンなどの有害物質
を分解したり、廃プラスチックを再資源化するのに応用され始
めています。
ある環境においては、水は、普段目にしているのとは全く別の
顔を見せるのです。
人もまた時に怒り(個体)、泣き(液体)、笑い(気体)ます。
理不尽な事態に遭遇すれば怒り、酷い目に遭えば泣きます。
怒りに打ち震え涙を流す事態が限度を超えてしまうと、もはや
笑うしかない心境になってしまうことがあります。
これは人の三重点です(勝手に命名)。
三重点となった人は不安定です。
何をしでかすか分からない状態と言えるでしょう。
一方、怒りも涙も笑いも超越した超臨界のことは人間界では
“悟り”と呼びます。
どんな人の怒りもなだめることができ、泣いている人には微笑
を取り戻してあげ、いつでも笑っていられるように導ける。
“悟り”を開いた超臨界人を“神”とも呼びます。
水の三重点の動画を何度も見ているうちに、ひょっとしたら、
私たち自身にだって、神になれる時代がいつかやってくるのか
もしれない。
そんな妄想も膨らむのです。