2012/3/28
「クララが立った！クララが立った！」
若き宮崎駿監督も参加した往年のアニメ『アルプスの少女ハイジ』
のせりふです。
テレビでアニメの名シーンを特集すると、必ずといっていいほど
流されますので、どなたもご覧になったことがあるでしょう。
クララが立ち上がり歩いたシーンは確かに感動的ですが、では、
なぜ立ち上がることができたかということについてはアニメでは
触れていません。
そもそもヨハンナ・シュピリの原作『ハイジ』にも記載がないの
です。
「人類が二足歩行を始めたのは、手を使って食料をより多く運ぶ
ためである。」
先日の新聞報道で見かけました。
野生のチンパンジーの観察結果から明らかになったと、京都大
霊長類研究所の松沢所長らの国際チームが米科学誌に発表しまし
た。
通常のナッツの場合にはチンパンジーは仲間と分け合って食べる
のに、中に貴重で味の良いナッツが少しだけ混じっているとしま
す。
チンパンジーはそのナッツだけを大急ぎで両手で抱えこみます。
そして、仲間から離れた場所まで、二足歩行でそそくさと移動す
るのだそうです。
「必要は発明の母」とは言うものの、我が物顔で地球に君臨する
人間様が二本足で歩くようになったのは、ただ食い意地が張って
いたからである、というのはなんとも情けないことです。
なぜクララは立つことが出来たのか？
せっかくの感動的な名シーンに幻滅を感じることの無いように、
謎は謎のままでそっとしておき、余計な詮索などはしない方が賢
明なのかもしれません。