力を合わせて共同経営 | 店舗探し.comの過去コラム

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2011/3/24

同じ職場で同年代、趣味も共通で仲の良かった3人が、早期退職
による割増し退職金を元手に、共同で事業を起こしました。
元々、独立開業を計画していた3人でしたが、それぞれが別々に
小さな事業をするより、3人で力を合わせて始めたほうが、互い
の弱点を補い合うことができるから、成功の可能性は高くなる
はずだ、こう考えたのです。

出資も仲良く1/3ずつ。
知恵を結集するために、何でも話し合って決めていこうと申し
合わせて、3人はある飲食店を開業しました。

開店当初は業績も好調で、3人それぞれの持ち味が生きてとても
うまくいっているように見えました。
しかし、オープン景気が一段落すると、客足がやや落ち、3人の
一家がそれぞれの生活を維持していけるだけの収入がお店からは
確保できない状態が続きました。

AさんとBさんは夫婦共働きで、奥さんの収入がありましたから
店からの収入が少々減っても生活に支障はありません。
しかし、Cさんの奥さんは専業主婦で収入がなく、Cさんには、
他の二人と比べて、あまり蓄えがありませんでした。
Cさん一家にとっては、店の経営内容を良くしない限り、早晩、
生活が破綻してしまいかねません。

Cさんは、少しでも店の人件費の無駄を減らそうと、急の雨など
で客足が落ちると見るや、予定の勤務時間が残っているパートや
アルバイトであっても、早めに切り上げて帰してしまい、その分
の人件費を浮かすように指示しました。

「そんなことをしたら時間給で働く従業員の士気が低下して、
 サービスのクオリティが下がってしまう。」

AさんBさんは反発します。
どう対処すべきか、話し合いは延々続きますが、いつまでたって
も決着はつきません。
従業員は帰るに帰れず、結局全員が残業となってしまいました。

客足を戻すためにチラシを撒くことにしましたが、新聞に折込む
かポスティングにするか、カラーか一色刷りか、そもそも何枚
作るのがいいか、予算はどれくらいが妥当か・・・。
3人の話し合いは連日続きました。
結局、チラシが完成するまでに3ヵ月もかかってしまいました。

何もしない3ヶ月間で、客足はさらに落ち込み、3人の足並みは
少しずつ乱れていきました。
ついに、固い友情で結ばれていたはずの絆もばらばらになって
しまい、店はまもなく潰れてしまったのです。

店の現場では、瞬時に判断を下さなければならないことが多く、
話し合いは必ずしも有効ではありません。
決断が遅れること自体が、悪い結果をもたらすことが多いから
です。

地震の各被災地では、優れたリーダーがすばやく的確な判断を
下し、一刻も早く復興の成果を挙げて欲しい!
誰もが強く願っていることなのです。