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2014/1/29

勅。如聞。墾田拠養老七年格。限満之後、依例収穫。由是
農夫怠倦、開地復荒。自今以後、任為私財無論三世一身。
悉咸永年莫取。其国司在任之日。墾田一依前格。但人為
開田占地者。

「(聖武天皇が)命令する。これまで墾田の取扱いは三世
一身法(養老7年格)に基づき、期限が到来した後は収公
していた。
しかし、そのために農民は怠け、開墾した土地が再び荒れ
ることとなった。
今後は三世一身に関係なく、全ての場合において、永年に
わたり私財としてよいこととする。」

これは天平15年5月27日(743年6月23日)に発布された「墾
田永年私財法」の原文と訳文(ウィキペディアより)です。
自分で新しく開墾した耕地の永年私財化を認める法律によっ
て墾田は加速されました。

この「墾田永年私財法」ですが、実はまだ失効していないの
ではないかという都市伝説があります。

勅命として正式に発布された「墾田永年私財法」は765年に
墾田禁止令(加墾禁止令)によっていったん中止されます。
しかし、772年、今度は加墾禁止令が停止され、墾田永年私
財法が復活しました。

以来、墾田永年私財法が正式に廃止された形跡がないために、
今でも通用するのだ、というのが都市伝説の根拠です。

もちろん明治以降は、何年何月何日制定、法律第何号という
ふうに、正式に登録されたものだけが有効な法律とされてい
ますから、もはや墾田永年私財法に効力はありません。

実質的には、秀吉の太閤検地によって有効性を失ったとの説
が有力です。

しかし、仮に明治時代に無効になったのだとしても、国家が
保証した“永年”は1100年しか有効でなかったことになりま
す。

国家というものは、無謬性を前提としていますから、けじめ
をつけないままにうやむやにしてしまっても、とがめられる
ことはありません。
現代でも独裁国家に君臨するトップの失政が総括されることは
ありません。

先進国家を自負する我が日本でも、100年安心などと総理大臣
が胸を張ったのはつい最近のことではなかったでしょうか。

「永久に愛し続けます。」

固く誓って結婚しても、3~4組に1組の割合で離婚しているの
が日本人の現状です。

およそ私たちにとってリアリティのある“永久”の概念は、
ひょっとすれば数年か、高々1000年程度ということなので
しょう。

放射性廃棄物を何万年も保管しなければならないと言われて
も、現実の問題として扱うには私たちには荷が重すぎるのか
もしれません。

科学技術は、わずか数年の内に態度が容易に変わってしまう
人間が手掛けているにもかかわらず、人間が想像もつかない
くらい先の‘永久’にまで、手を伸ばしてしまっているのです。