2012/10/12
秋の野に 咲きたる花を 指折りて
かき数ふれば 七種(ななくさ)の花
お正月、七草粥として食べることもある春の七草に比べて、秋の
七草はいかにも地味です。
ハギ キキョウ クズ フジバカマ オミナエシ
オバナ ナデシコ 秋の七草
七草の話題が出るたびに、祖母がよく口にしていましたから、
私はこう覚えていました。
これは冒頭の歌と同じ、山上憶良の
萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花
女郎花 また 藤袴 朝貌の花
をアレンジしたものでしょう。
お:女郎花(おみなえし)
す:薄(すすき)
き:桔梗(ききょう)
な:撫子(なでしこ)
ふ:藤袴(ふじばかま)
く:葛(くず)
は:萩(はぎ)
頭の文字をつないで「お好きな服は?」とする覚え方もあるよう
です。
好き嫌いはともかく、環境省の肝煎りで今年は今月いっぱいが
クール・ビズの期間とされています。
更に来月からはウォーム・ビズが間を置くことなく始まり、3月
いっぱいまで続きます。
節電要請もあって一気に浸透したクール・ビズのおかげで、
ノーネクタイでワイシャツの上のボタンもはずしたスタイルにも、
まったく違和感を感じなくなりました。
数年前までは、真夏にも皆、スーツを着込み、汗だくになって
顔を真っ赤にしていたのがウソのようです。
暖房時の室温を20度とするウォーム・ビズも浸透すると、ベスト
やセーターなどの重ね着をする姿が一般的となるのでしょう。
セーターを着るならネクタイもほとんど隠れてしまうので、
ネクタイを締めていなくても、もう非難の目にさらされること
はなくなるでしょう。
元来が生真面目な性分の日本人のこと、このまま高齢化が進む
と、頑固で融通が利かないという評判までもらうようになって
しまうかもしれません。
ネクタイに対する意識変革がきっかけとなって、必然性の無い
形式的な因襲を、必要に応じて柔軟に変更できるという、風通
しの良い風潮が、大いに広がることを期待します。
さて、週末です。
外歩きするには申し分ない季節です。
“お好きな服”でおしゃれをして、秋の七草探しに、里山散策
などいかがでしょうか。