スーパーセンス | 店舗探し.comの過去コラム

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2011/5/25

あなたは殺人鬼が着ていたというカーディガンを着てみようと思い
ますか?

『スーパーセンス ~ヒトは生まれつき超科学的な心を持っている』
         ブルース・M・フード著 インターシフト発行

好きなスターが着たセーターなら抱きしめて匂いを嗅いでみたいと
まで思い、殺人鬼が着たカーディガンは、触っただけでも不吉な
出来事に巻き込まれそうな気がしてしまう。
これが、スーパーセンスです。

人は皆、なんらかのスーパーセンスに支配されています。
多くの人にとっては宗教、そうでない人の場合には、私有物、
うす汚れた毛布、家宝、有名な絵画、歴史的な記念物、殉教者の
遺物・・・。

極めて社会性の高い【種】の一員である私たちですが、誰もがそれ
ぞれ、論理的な費用便益分析だけでは理解できない神聖なスーパー
センスを内に秘めているのです。
自分が何かをその客観的価値以上に評価するのは、自分の中に隠れ
た超自然的な側面があるからなのです。

“あなたが病院の責任者だとしよう。動かせる金が100万ドルある。

 これを、ひとりの子供の命を救う肝移植手術に使うか、それとも、
 病院存続のため、負債の返済に充てるか?さて、どうする?
 たいていの人にとっては、これは考えるまでもない問題だ。

 もちろん、子供を救うのだ。

 経済心理学者が行った実験では、ある病院経営者が、子供の命を
 救う肝移植手術でなく病院のためになる決断を行ったと聞かされ
 た人々は、そうした目先の利いた財務計画のほうが長い目で見れ
 ば大勢の子供達に利することになるにもかかわらず、愕然とし非
 難するという。

 しかも、経営者が子供を救うことにしたものの、そう決断するま
 でに長い間逡巡したと聞いた場合も、憤慨する。”

消費者が支配されるスーパーセンスとは何かを把握して商品やサー
ビスに生かすこと、そして経営者自らがとらわれているスーパーセ
ンスを冷静に自覚して、合理的に対処すること、このバランスの取
り方こそが重要なのでしょう。