2013/5/21
あるお山に若いオスのヤマアラシが住んでおりました。
お隣のお山にも若いメスのヤマアラシが住んでおりました。
ある日2匹は偶然出会い、一瞬で恋に落ちました。
そして2匹はメスのヤマアラシが住むお山のてっぺんでデートを
しました。
その夜は凍てつくような寒さでした。
星を見上げる2匹のヤマアラシは体を温めあうために近づきます。
しかし、お互いの体を覆った針が刺さって痛くてたまりません。
思わず体を引き離すと、寒さで凍えてしまいそうです・・・。
近づけば傷つく、でも離れれば寂しい。
『ヤマアラシのジレンマ』は哲学者ショーペンハウアーによる寓話
です。「自己の自立」と「相手との一体感」という2つの欲求による
ジレンマを例えたのです。
さて、若いヤマアラシのカップルはその後どんな運命をたどったの
でしょうか?
1.お互いの相性の悪さを悟った2匹は別れ、針をまとった自らの体
を呪い、2匹とも失意のままに死んでしまうのでした。
2.痛みに耐えながら抱き合ったり、針が触れ合わないように離れたり
と試行錯誤を繰り返した結果、お互いのほどよい距離感を探り当てた
2匹はいつまでも仲良く暮らしました。
夫と妻、親と子、上司と部下、お客と店員・・・。
お互いにとってほどよい距離を探り当てることができれば、その関係
はうまくいきます。
しかし、ほどよさ加減の感じ方がそれぞれでずれていると、しっくり
と安定的な関係を継続することはできません。
破たんを回避するためには、どちらか一方が、もしくは両者が譲歩し、
我慢するしかないのかもしれません。
実際のヤマアラシは1でも2でもありません。
針のない頭の部分を寄せ合って体温を保ったり、睡眠をとったりして
いるのだそうです。
さて、暑い季節が近づいてきました。
日によってはクーラーを入れないと不快を感じる時があります。
店舗探し.comのオフィスの空調コントローラーはトイレの手前にあり
ます。
暑がりの社員は、通りがかりに設定温度を下げていきます。
寒がりの社員は、通りがかりに設定温度を上げていきます。
1日の中で設定温度は上がったり下がったりと、株価のように小刻み
に変動しているのです。
暑がり社員と寒がり社員、延々繰り返されている温度上げ下げの
バトルは、ついにコントローラーが壊れてしまうまで終ることは
ないのでしょうか。
相手の希望を尊重しながら自己の主張も通す。そんな具体的な解決
策を見出すことはできるでしょうか・・・。
その答えはオフィスにお越しの際、空調の設定温度を確認して
ご判断ください。