待ち行列理論 | 店舗探し.comの過去コラム

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2012/5/1

シメオン・ドニ・ポアソンとアグナー・クラルプ・アーラン、そして
ジョン・リトル。
私たちは彼らの予想通りに操られるのです・・・。

連休の谷間。
皆様、いかがお過ごしでしょうか?

人が遊ぶときが繁忙期となるSCはまさに書き入れ時、休みを取るどこ
ろじゃないと連日勤務で奮闘されている方、お疲れ様です。
連休の谷間を休日で埋めて、大型連休を満喫している方、家族サービ
スお疲れ様です。

連休に行楽地に出かければ、避けられないのが長い行列です。
遊園地の人気アトラクションや、昼時のレストランなどはどこも行列
だらけで、避けて通るわけにはいきません。
見るだけでうんざりしてしまう行列ですが、これからは行列を見ても
少しは気が楽になるかもしれません。

『頭がしびれるテレビ~行列名人になろう』(NHK総合)

冒頭に記載した3人はいずれも、行列に関する数学的な解析に貢献した
数学者です。
功績だけを羅列しますと、ポアソンが確率論と共に発表した「ポアソ
ン分布」を下敷きにアーランが「待ち行列理論」を導き、二人の成果
からリトルが「リトルの法則」を見つけたのです。

L=λW


「リトルの法則」の計算式ですが、これで待ち時間が計算できます。
便宜上、両辺をλで割ってW=L/λと置き換えます。
Wは待ち時間、Lは並んでいる人数、λは1分間で後ろに並んだ人数で
す。

まず、行列の最後尾に並んだときに、前に並んでいる行列の人数(L)
を数えます。
次に、並んでから1分間の間に自分の後ろに並んだ人数(λ)を調べ
ます。
前に30人並んでいて1分間に2人が列の後ろについたとすると、
30÷2=15。
15分で列の先頭にいけることになります。
番組では東京タワーの展望台、人気のプレッツェル店等で検証しまし
た。
若干の誤差はあったものの「リトルの法則」通りの待ち時間でした。

待ち時間に限らず、不安や心配は、漠然としているときに最大のスト
レスを引き起こします。
誰が掛けたかわからない嫌がらせの無言電話、病名が判明するまでの
体調不良、日本の将来に対するつかみどころのない不安・・・。

アトラクションに乗車できるのは今から2時間後!

だとしても、はっきりとゴールが見えれば覚悟も決まるというもので
す。
連休の間、せめて行列から感じるストレスを軽減して、神経の休まる
ことのないビジネス戦線への復帰に備えましょう。