マカンコウサッポウ | 店舗探し.comの過去コラム

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2013/4/11

「マカンコウサッポウ(魔貫光殺砲)」

日本の女子高生が火をつけてネット上で広がり、今や世界中にまで
広まっています。
「マカンコウサッポウ」とは、漫画『ドラゴンボール』において
ピッコロ等の登場人物が使う技です。技を使った人を中心にして周囲
の人を吹き飛ばしてしまいます。

マカンコウサッポウの決めポーズをとった人の周囲の人間が、タイミ
ングを合わせて跳躍し、その瞬間を撮影すれば、その人の技でふっ飛
んだように見せかけることができます。

既に女子高生だけでなく、多くの人がネット上に投稿しています。
『ストリートファイター』シリーズの「Hadouken(波動拳)」や、
『スター・ウォーズ』で非接触で首を絞め上げるフォース・グリップ
の真似をしたものなど、国内外で様々なバリエーションが多数、発表
されています。

かつては、世界に向けて驚異的な商品を次々に輸出して、世界の注目
を一身に浴びてきた家電メーカーが元気を無くしています。

一方で、特撮、アニメ、アイドルなどいわゆるサブカルチャーの分野
では日本の発信力は今でも群を抜いています。
世界中のオタクが日本のサブカルに熱狂する理由の一つは、ディテール
まで徹底的に作り込んであるその完成度の高さにあるでしょう。

日本には春夏秋冬というメリハリのある四季があります。

季節の移り変わりは多様な気候を織りなします。
暑い、寒い、温かい、晴れ、梅雨、台風、みぞれ・・・。

変化に富む気候は多様な生物を抱え込むことを可能にします。
キタキツネからヤンバルクイナまで。針葉樹に広葉樹。タンポポから
菊の花まで。

昨日から今日と、微妙な変化を肌で感じることができる繊細な感性は、
こうした自然環境を生きる中で研ぎ澄まされてきたのでしょう。
日本文化が、ディテールへの目配りが得意なのは当然のことなのです。

成長戦略の種を探すことに躍起になっている政府が、サブカルの海外
への影響力に目をつけるのは当然と言えば当然でしょう。
しかし、サブカルを、クールジャパンなどと称して国の肝煎りで旗を
立てて世界に売り込んでいくというのは、どうもしっくりこない気が
します。

国が余計なことをしなくても、そのうちに、女子高生やら引きこもりの
オタクやらの市井に沈む無名人たちが、強烈な「マカンコウサッポウ」
を連発して、世界中の人々の度肝を抜いてくれるような気がしてなら
ないのです。