未開の地はそこに | 店舗探し.comの過去コラム

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2011/1/6

日経MJの正月特別編集号のトップを飾った特集は、

『未開の地はそこに』

でした。
発想や視点を切り替えて、収益を生む新たな好適立地を見つ
けるべきだとの観点から、3ページを費やして、様々な事例
を紹介していました。

例えば「靴のチヨダ」。
多店舗化を始めた1960年代には、東京オリンピックに向けて
整備された環条7号線に出店したのを皮切りに、道路に沿って
出店していましたが、60年代後半には東京駅や池袋の地下街
へと出店立地をシフトしました。
70年代にはダイエーなどの総合スーパー内へのテナント出店を
加速しましたが、大規模小売店舗法の施行でスーパー出店
に歯止めがかかるとみるや、郊外幹線道路沿いへの出店に
シフトチェンジして、1100店を達成しました。
郊外の高齢化が進んだ現在では、また東京への出店に集中
するとのことです。

「洋服の青山」や「しまむら」もチヨダ同様に都心を攻め込む
戦略です。
それとは正反対に、敢えてロードサイドへ攻め込む居酒屋
チェーンや、他店の撤退跡に商機を見出す企業もまた紹介
されています。

店舗探し.comの物件紹介に対する会員様の反応の多寡は、
当然ながら、SCの人気を反映します。
現在集客力が高く、年商の高いSCへの反応は活発で、古く
なって、以前より集客力の落ちたSCや、年商の低いSCの物件
には、問い合わせもぽつぽつしかこないといった傾向があります。

当然のことですが、人気の高いSCの物件は、倍率が高く、取り
合いとなりますから、出店交渉はどうしてもSCペースで進みがち
になります。
経済条件も高止まりしますので、資金力が無いところは厳しい
交渉を余儀なくされます。

一方、人気の薄いSCは、空き区画を埋めるのに非常に苦慮
しており、出店者側が、かなり強気の条件減額要求を突きつけ
ても、SC担当者は、こちらが拍子抜けしてしまうほど、
あっさりと言い値で丸呑みしてくることもあり、その落差の激
しさには、私達も驚くばかりです。

集客力の物足りなさや年商の少ないSCだからといって、簡単に
見切りをつけてしまうのはちょっと待ってください。
業態を工夫したり、出店条件の大幅緩和を勝ち取れれば、しっ
かり採算の取れるというような物件を見つけ出すことで、
出店の展望が開けるということもあるのです。

「人の行く裏に道あり花の山」

株式投資の世界などでもよくささやかれる格言です。