デパ地下催事に習う | 店舗探し.comの過去コラム

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2010/11/19

「接客や販売に自信が無いんです。」

こんな悩みを口にされる方がよくあります。

そんな時には、デパ地下などで毎週開催される「催事」を
研究してみたら、とアドバイスすることにしています。

販売力という点では、こうした催事のベテラン販売員が、
もっとも優れているのではないかと、感心することがよくある
からです。

全国各地の百貨店やスーパーを股にかけ、一週間単位の
催事を専門に手掛けている業者さんがいます。

彼らは、あらかじめ自分達の商品を買うつもりで来店する
お客様は一人もいない、というハンデを背負って販売に
臨まなければなりません。

週に一度しか来店しないお客様が相手だとしたら、チャンス
はたった一度しかありません。

お客様を自分の店の前に立ち止まらせ、一瞬にして心を
つかみ、その日の内に財布の口を開けてもらうところまで
持ち込まなければならないのです。

「また今度ね。」とか「一回りしてから後で来るわ。」
と言われたらそれでおしまい。
チャンスはもう二度とやってこない、一発勝負なのです。

だから、短期催事では、周辺の常設店と同じような悠長な
接客をしていては、思うように売上は上がりません。

「どうぞご利用くださいませ。」

あちこちの常設店からのんびりとかかる常套句は、お客様
にとっては、単なるBGMにしか聞こえません。
「ご利用してと言われたから利用します。」などと言う
奇特なお客様は一人もいないのです。

その気が無かったお客様を心変わりさせて、衝動買いを
促す。

そのためには、タイムサービスや試食品の提供など、アク
セントをつけてお客様に味濃く迫っていかないと、売場に
すら気づいてもらえません。

その点、販売力に定評のある催事のベテラン販売員の
周囲には、なぜかいつもお客様が取り巻いているものです。

販売になかなか自信が持てない方。

どうか催事のベテラン販売員さんの、声の出し方から
一挙手一投足に至るまで、よく注目して観察してみて
ください。
きっと、長年の経験に裏打ちされたプロフェッショナルな
技術を、目の当たりにすることができるでしょう。

さらにその技術を分析することで、あなたは、消費者心理
のメカニズムを理解する手掛かりさえ、得ることができる
はずなのです。