2012/11/7
タカトシのギャグで有名な
「欧米か!」
と突っ込まれた時、日本人が思い浮かべるのは一体ナニ人でしょうか。
そもそも欧米とはどことどこの国のことを指すのか、少なくとも私は、
正確に答えることができません。
『こんなにちがう ヨーロッパ各国気質 32か国・国民性診断』
片野優・須貝典子著 草思社
“「欧米では・・・」
日本ではよく使われる言葉だが、ヨーロッパでは
ほとんど耳にすることがない。
なにしろ「ヨーロッパ」はおろか「イギリスでは？」「スペインでは？」
などと尋ねると、逆に「ウェールズでは」「カタルーニャでは」と直され
てしまうほど郷土色が強い。ヨーロッパとは、多種多様な民族、言語、国
や地域、文化が入り混じる、まさに「バベルの塔」を彷彿させる大陸なの
だ。”
こんな書き出しで始まる本書では、イギリス、フランス、ドイツといった
馴染みの深い国から、ルクセンブルク、マケドニアといった、国の名前すら
うろ覚えの小国までがせいぜい10ページ程度でまとめられています。
ルクセンブルクは人口が50万人しかない小国ながら、一人当たりの名目GDP
は世界一という豊かな国です。一方、対外債務がGDPの20倍もある、日本も
驚きの超借金国です。
「ダッチ・アカウント」（割り勘）、「ダッチ・オークション」（せり
下げ競売）のような慣用句に使われるほど、ケチの代名詞に使われるのが
オランダ人です。
しかし、病欠でも診断書なしに、無制限で有給休暇が取れるし、残業は
法律で禁止されているなど、労働者天国でもあります。
マリファナやコカインもOK、売春は合法、同性結婚や安楽死も認められる
など、自由と人権を認める覚悟は半端ではありません。
なお、男性の平均身長は183.8センチ、女性は170.7センチと、ともに
世界一の長身国でもあります。
マケドニア共和国は、旧ユーゴスラヴィア崩壊の折に、戦争を経験せずに
独立を果たした唯一の国です。
しかし、周囲を囲むセルビア、ギリシャ、ブルガニア、アルバニアのうち
アルバニアを除く3つの国とは犬猿の仲です。
一例を上げますと、ギリシャからは、アレクサンダー大王が活躍した古代
マケドニア王国が地理的にはギリシャにもまたがっていたことから、国名
の変更を迫られています。
「マケドニアか！」
四面楚歌の状態にこんな突込みを入れられるよう、他人様の国にも、
もっと興味を持たなければと思うのでした。