2010/09/22
５２→２９→２０
これは、ルービックキューブの最短手数順の研究成果の
変遷です。
１ヶ月ほど前に、初期の配置がどんなにでたらめでも
必ず２０手以内で解けることを、ケント州立大（米オハ
イオ州）の数学者ら米独の研究チームが証明し、発表し
ました。
限りある時間を生きる私たちは、目標にたどり着くまで
の距離や時間を、できるだけ短縮しようと考えます。
ドライブをする際には近道や抜け道を探索して、１分
でも早く目的地に着こうとします。
最短距離で出世の階段を駆け上らせるために、東大
合格を目指して、我が子を塾へと追い立てます。
しかし、近道や抜け道も皆の知るところとなれば、結局
渋滞して、かえって時間をロスしてしまいかねません。
東大への合格も、人生の勝利を約束してくれる時代では
なくなってしまいました。
裏道を抜けたり隙を突いたりといった狡い了見では、
有利を築くことが難しくなっているのではないでしょうか。
いっそ、世の中の風向きなど一切気にせずに、何か
ひとつ事にじっくり取り込んでみたらどうでしょう。
短期決戦などと考えずに、コツコツとテーマを深く掘り
下げていくのです。
例えば「クレープ」をテーマにしたら・・・。
美味しいバナナチョコクレープを作るためには、バナナ
の熟し加減はどうあるべきか、チョコの適切な粘度は
どの程度か、生クリームのホイップ加減をどう調節する
か？
その場で食べるクレープと、持ち帰ってから食べる
クレープではそれぞれどんな生地を使用した方がいい
のか？
１年２年ならいざ知らず、２０年３０年とただひたすら
美味しいクレープを作ることだけに没頭したとしたら、
かなりの成果を上げられるはずです。
３０年間クレープのことばかり考え続ける人は、そうは
いないでしょうから、３０年後には、世界一美味しい
クレープを作ることができていることでしょう。
誰もがPCを駆使して小利口になっている現代では、
ただ一筋の馬鹿な生き様こそが脚光を浴びるのでは
ないでしょうか。
多くの人が、自分だけは人を出し抜いて近道を行こうと
要領よく立ち回ったつもりで、結局、皆と同じ近道に
殺到して行き詰ってしまうことでしょう。
そんな姿を横目に、亀の歩みで悠然と迂回路を行けば
いいのです。
「急がば回れ」
こそ、時代のキーワードかもしれません。