秋の恋 | 店舗探し.comの過去コラム

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2010/09/10

女心(男心?)と秋の空。

移ろいやすく気まぐれであってもいいから、愁いを含んで
デリケートなニュアンスの溢れる、涼しげな秋空が待ち遠
しいものです。

秋空や、女心や男心よりも気まぐれで我儘、移り気で
つれないのが「お客様」です。

お気に入りの指定席に座れなかったり、おなじみの店員
さんが休みだったり、毎度注文する大好きな商品が品切れ
だったりすると、いちいち落ち着かないし面白くないのです。
といって、いつもいつも代わり映えしなければ、それはそれ
で、刺激が無くて退屈だとぐずる。

嫌われたくない、お客様の足が遠ざかるのが心配なお店側
は、ついついお客様の顔色を伺い、腫れ物に触るように気を
遣います。
しかし、へりくだりも程度が過ぎると、うざったいと切れられて
しまうのです。
げにお客様は扱いにくいものです。

お客様とのやり取りは、恋の駆け引きにも似ています。

なだめたり、すかしたり。
つんとしたり、甘えてみたり。
巧みな店は、店の周囲にまでお客様を侍らせてじらし、
プレーボーイならぬ繁盛店の名を欲しいままにし、いつでも
金回りがいいのです。
口下手で引っ込み思案一辺倒だったり、高慢で高飛車
な態度が鼻につく店には、閑古鳥が鳴いています。

灼熱の情熱だけで一直線に突っ走り、瞬く間に燃え尽きる
ような、真夏の恋の季節にも、ようやく終わりが近づきました。

華やかでパワフルではあるけれど、一本調子で大味なのが、
青い若者の恋だとすると、あるかなきかの微妙な気配を
楽しむのが、大人の恋の本領でしょう。

繊細な心遣いやサービスがしみじみするような、奥行きと
深みのある、秋の気配の店こそが、末永くお客様を引き
止めることができるのかもしれません。