魔が差す | 店舗探し.comの過去コラム

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2012/8/20

お盆休みの某日、昼前に起き出して、習慣になっている日めくりの
カレンダーをめくってみたら、3枚も落丁していました。
普段だったらそのままに捨て置いたでしょうが、やることもなく暇を
持て余しているものだから、ふとカレンダーの出版社に電話してみま
した。
着払いで送ってくれれば新しいカレンダーと交換します、と至極まっ
とうなお答えが帰ってきました。送る手間が面倒でしたが、せっかく
電話までしたのだからと、不良品のカレンダーを荷造りすると、近所
の宅配受付所まで自転車で運びました。

そのまま帰るのも味気ないと思い、どこかで昼食をと考えて、最近
ご無沙汰している中華飯店に行こうと思い立ちました。
そこは大衆的な店ながら餃子のおいしさには定評があり、百貨店からも
招聘されるほどの店です。ただ、自宅からは中途半端に遠い不便な場所に
あるものですから、食事時に近くを通りがかりでもしなければ、わざわざ
行くことはありませんでした。
一路、自転車で中華飯店を目指しました。
途中、とあるインド料理店を目にしたとき、娘がここのナンはとても
おいしいと、えらく褒めていたのを思い出しました。スパイシーなカレー
で汗を出し切るのも悪くないと、急ブレーキをかけて自転車を止めると、
予定変更して娘推奨のインド料理店に入ることにしました。

いつもインド料理店に行くと、何種類かのカレーを選ぶのでないかぎり、
野菜カレーしか注文しません。
その日ももちろん野菜カレーを頼み、少し奮発してタンドリーチキンと
シークカバブが付くというシェフおすすめセットとしました。
しかし、店員さんが厨房にオーダーする声は「豆カレー!」と言った
ように聞こえました。厨房からは確かに「ダル?」と確認の声がしました。
お客は私しかいないのに、魔が差したんでしょうか。
明らかにオーダーミスだと解りました。
ただ、その日の私はとても鷹揚で、豆なら豆でいいやと、そのままにして
おきました。
やはり出てきたのは豆カレーでした。ダル豆がびっしりと入った、いか
にも田舎風の素朴な味です。スパイシーとは程遠く、その日の気分には
やはりしっくりとはこなかったので、ちょっぴり後悔しましたが、あとの
祭りです。
しかし、焼きたてのナンは確かに一級品でした。

食事を済ませ、帰途につきましたが、ふと目についた小さなスーパーに
目を引かれ立ち寄ることにしました。そこは等級の落ちる野菜や果物を
激安で販売していると評判の店です。
ただし、販売単位が多いと聞いていたので、少人数の我が家では使いこな
せる自信がなく、これまで利用したことはありませんでした。

しかし、その日はなぜかふらふらと中に入ってみました。
どれもこれもびっくりするほどの安さです。目につくままに、カゴに
ぽいぽい放り込んでいたら、あっという間にカゴが山盛りになってしまい
ました。
逆戻りしようかと躊躇しているうちに、「こちらへどうぞ」と促されたの
で、結局そのままレジへと進みました。

お金を払いお釣りをもらおうとしたら、店員がしきりに首をかしげてレジ
を打ち直しています。たった4円のお釣りを出すのに5回も6回も打ち直し
た挙句、ついにギブアップしたのか4円をくれながら「すみません」と
謝られました。
家に帰ってからレシートを見てみたら、前のお客の買った分を精算しない
まま、私の買い物分を足してしまったようなのでした。
得したんだか損したんだか、収支のほどはさっぱりわかりません。
大量に購入した野菜と果物はとても冷蔵庫には収まりきらず、結局隣家
におすそ分けする羽目に・・・。

暑さでゆだってボーっとし、誰もに魔が差した一日なのでした。